2017年4月13日 (木)

カーリング男子世界選手権

 カナダのエドモントンでカーリング男子の世界選手権が行われていた。NHKBSでは,日本の全試合と日本は出ないが,準決勝と決勝を中継した。一日,三つのセッションがあり,各4試合が行われ,日本では試合開始が午前0時,5時,10時だったので,観戦できた。
 昨年は,4位と健闘した日本チームは,中盤までは,健闘したものの,延長戦で米国に負けたあと,最下位だったロシアには勝ったものの,最後にカナダ,スイス,中国に連敗し,7位で終わった。

  ○日本 9- 5 イタリア(9)
  ○日本 9- 6 オランダ(11)
  ●日本 7- 4 スコットランド(6)
  ●日本 5- 8 スウェーデン(2)
  ○日本 7- 4 ドイツ(10)
  ○日本 9- 7 ノルウェー(8)
  ●日本 6- 7 米国(4)
  ○日本12- 4 ロシア(12)
  ●日本 2-10 カナダ(1)
  ●日本 5- 6 スイス(3)
  ●日本 2- 9 中国((5)

 昨年,悔しい目にあった米国には勝って欲しかった。

 国内の報道では,来年の冬季オリンピックの出場権を得たことが大きく報道された。カーリングに限らずオリンピック至上主義のスポーツ報道は歪んでおり,どの競技も,毎年の世界選手権やワールドカップのほうが重要である。

Curlingmen2017_2  今回,日本チームの問題はスキップの不調にあったと思う。前半は,校長だったが,カナダ戦あたりから正確さを欠くようになった。最終の中国戦は,酷い内容だった。スキップのラストストーンが失敗することが多く,開始直後から連続スティールされた。ゲームのショット成功率が58%では勝てない。中国のスキップは,96%だった。

 この大会では,カナダチームが,予選から決勝まで無敗で優勝した。決勝戦ではスウェーデンが粘ったが,それでもカナダに勝つことはできなかった。日本は,カナダ戦第4エンドで一挙に5点を取られてしまった。今回,出場のカナダチームは,これまで世界選手権の出場実績は乏しい。しかし,スキップのグシュー選手は老練で,自分たちの一投を成功させるだけではなく,常にその後に相手が投げにくい形になるように配慮している嫌なスキップであるそうだ。


2016年12月30日 (金)

今年のスポーツ,三つの残念

 2016年3月27日にカナダで開催中のカーリング女子世界選手権の決勝戦でLS北見は,2連覇中のスイスチームと対戦し,接戦を演じたが,惜しくも敗れた。第8エンドでリードしていたが,スイスのほうが,勝負強かった。この最終戦は,新幹線に乗っていたのでテレビ中継を観ることができなかった。ツイッターやウェブサイトで試合を追いかけていたが,第10エンドの藤澤選手の最後の一投の後,しばらく,何のツイートもなかった。そして,悲鳴のようなツィートがあり,負けたことがようやくわかった。この女子世界選手権のテレビ中継をずっと観ていて思ったのは,日本の小笠原選手も本橋選手も努力家であるが,藤澤選手は,ちょっと違って天性の才能があるということだった。。

 11月19日にヨーロッパ遠征中のラグビー日本代表は。ウェールズの本拠地 カーディフのプリンシパリティー・スタジアムで世界ランク6位のウェールズ代表と対戦した。ラグビー好きのウェールズ人で満員,アウェーである。3年間に遠征してきたウェールズに勝ったが,このときにはウェールズは主力選手を欠いていた。今回は,フルメンバーである。前半は13-14で,後半にはリードされたが,追いついて30-30となった。だが,試合終了間際に何としても勝ちたいウェールズはドロップゴールで3点を入れて,日本は30-33で負けた。これまで日本代表の試合を観てきたが,ウェールズに突き放されずにこうした試合ができることが不思議だった。堀江翔太,田中史朗,田村優,立川理道,山田章仁,松島幸太朗といった選手たちは,昨年のワールドカップ以来,またレベルがあがり,日本代表は,やはり本当に強くなっていること実感した。

 12月18日のサッカークラブワールドカップは横浜市で決勝が行われ,開催国代表の鹿島アントラーズが,ヨーロッパ代表のレアルマドリードに延長の末に2対4で敗れた。クラブワールドカップは,各大陸のチャンピオンと開催国代表アントラーズを加えた7チームが,トーナメント方式でクラブチームの世界一を争った。前半9分にレアルマドリッドが先制,アントラーズは,前半44分と後半7分に柴崎岳選手のゴールで逆転した。しかし後半15分にレアルマドリードのクリスチアーノ・ロナウド選手がペナルティキックを決めて同点となった。延長戦では,ロナウド選手が2点を入れた。アントラーズが,リーグ戦で無敗のレアルマドリードと互角の戦いをした。日本人の誰もが,もしかしてと思った試合で,サッカー日本代表よりもアントラーズは強いのではないかと思ったわけである。

 国の代表と,クラブチームとは全く違うカテゴリであり,決して試合をしないが,ラグビーでもサッカーでも日本一のチームとオールスターの日本代表とどちらが強いか気になる。カーリングはどの国の代表もクラブチームであり,チームワークや練習といった面では有利であるが,問題も多いようだ。国際大会の出場権を取ってきたチームとは別のチームがその大会に出場することも起きてしまう。

 残念といえば,大相撲の稀勢の里は,年間最多勝で優勝なしだった。


2016年11月21日 (月)

本当に強くなったラグビー日本代表

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 欧州遠征中のラグビー日本代表は,ウェールズ代表と対戦した。ウェールズは,世界第6位で,今年の六か国対抗ではエディー・ジョーンズ監督のイングランドに次ぐ第二位だった。ウェールズでは,ラグビー人気が高く,巨大なスタジアムがあり,日本との対戦でも7万4千人も観客が集まった。ラグビー-好きなウェールズ人は,どこが相手でもウェールズ代表の試合を見に来るのかもしれないが。

 ペナルティキックで日本が先制し,その後トライを取られ取り返し,前半は14-13。後半に,27-16と11点差となった時には,スコットランド戦やアルゼンチン戦同様,どんどん差を広げられるのかと思ったが違った。日本は,じりじりと差を詰めはじめ,二つのトライで終了5分前に30-30と同点にした。思ってもみなかった展開になった。

 その後,ウェールズは日本ゴール前で攻め続けるが,トライを取れそうにない。終了1分前に,ウェールズのサム・デイヴィスのドロップゴールで何とかウェールズが33-30で勝った。ドロップゴールで決まるなど,ワールドカップ並である。英国の報道では,サム・デイヴィスがウェールズが赤恥をかくのを救ったという見出しになっている。

 昨年のワールドカップで日本が南アフリカに勝つことができたのは,前監督の周到な準備と長い練習があったからだと言われている。新しいジェイミー・ジョセフ監督になったが,まだ練習期間は短く,日本代表になった選手も多い。それでも,満員の敵地という不利な条件で,こうした試合ができた。相手のオフロードパスの連続にも崩れないディフェンス,相手ボールをもぎ取る力,素早いアタックと素晴らしい出来だった。

 昨年のワールドカップ3勝以来,日本代表は,地力と自信を兼ね備えるようになったようだ。


2016年8月24日 (水)

不思議なバドミントン松友美佐紀選手

 リオデジャネイロオリンピックで良かったと思う日本選手は,個人種目で女性選手史上初のオリンピック4連覇の伊調馨選手,それに,重量挙げの三宅宏実選手,競泳の金藤理絵選手,それに男子体操団体と陸上男子400メートルリレーのメンバーである。

 しかし,こういう選手がいたのかと驚いたのは,バドミントンの女子ダブルスの高橋松友組である。優勝にいたるデンマーク戦での最後の五球の興奮は忘れられず,ビデオで何回も観た。これまでの高橋松友組についてニュースなどを調べているうちに,特に松友美佐紀選手に驚いた。

 普通の日本人の若い女性としか見えない二人はバドミントンの世界では,女子ダブルスのランクで世界一で,金メダル確実とされていたことを知らなかったのは不覚である。海外では実力が認められているばかりではなく,人気も絶大で,ユーチューブには,今年,バドミントンが国技となっているインドネシアで記載されたインドネシアオープン決勝戦のビデオがあるが,中国チームと対戦する高橋松友組には,会場から日本コール,かけ声が絶え間なく続き,まるでホーム状態になっていた。優勝が決まった時,松友選手はインタビューに如才なくインドネシア語で「ありがとう」と答えていた。

 松友選手が,シングルスよりダブルスをしているのは,シングルスでは,相手は一人でしかないが,ダブルスでは,相手の二人とパートナーを含めて三人なのでより楽しめる(研究したり,予想したりできる)からである。「パートナーを含めてコート上の三人をコントロールする」ことが松友選手の究極の目的で,高橋選手を「支配」したいのではなく,自分のショットによって相手の返球のコースを限定して,高橋選手に「気持ちよく打ってもらう」ようにしたいらしい。求道者というわけではないし,金メダルが目標というわけではなく,試合ごとに純粋に相手に勝ちたい,自分ができることを見つけたいと思っているとのことである。なかなかいない変わった選手である。

 真面目で,クールでガッツポーズなどはめったにせず,研究熱心である。もちろん,試合相手も研究してくるから,それを上回らなければならない。決勝戦では,第三ゲームではなく,負けた第一ゲームにこの点で悔いが残ったらしい。「金メダルを取りたいと思ってやってきたが,今日の1ゲーム目はもっとうまくできた。もっと強くなりたい」。

Matsutomo
 そして,第三ゲームで16-19となったとき,松友選手は,「相手に『おっ』と思わせたかった」と何度も言っている。これは,それまでの延長ではなく,相手の予想を完全に外したショットをしてみるということだったようで,緩い球を相手コートの隅に落としてまず17-19とし,次も相手が予想していなかった速いクロスで得点をあげ,18-19。そして,次は,前衛で,相手のコースを完全に読んで,左から右へ俊敏に動き,自分だけで連続三本を打ち込み19-19とした。以後は,高橋選手に任せ,5連続ポイントで勝った。崖っぷちから一気に豹変して,圧倒的な強さを見せた。

 松友選手には,「試合をどんどんしていくうちに,五輪で最後と決めている選手がたくさんいて,それがすごくつらくて,自分の中では。いろいろな選手がいたから,今の自分たちがあると思っているので,本当にもう戦えないと思うとつらかったです」という発言があり,これを,敗者にも思いやりのある珍しい選手と持ち上げている記事もあった。むしろ,世界中にいるライバルとの関係を正直に語っているのだろう。

 その面では,女子レスリングで吉田沙保里選手に勝った米国のヘレン・マルーリス選手にも松友選手と通じるところがあった。あえて,吉田選手と同じ階級を選び,研究しつくして倒した。試合後の態度は立派だった。

 テレビや新聞では,高橋松友組を「タカマツ」ペアと呼んでいるが,リスペクトに欠けていると思う。


2016年4月18日 (月)

カーリング男子選手権の悲劇

 カーリング男子世界選手権が開催されていて,日本のSC軽井沢クラブが決勝リーグに3位で進出したことは全く知らなかった。女子とは異なり,NHKの中継も,新聞報道もなかったのだから仕方がない。さすがに決勝リーグの日本戦は,中継があった。

 プレイオフの3位対4位戦は,米国との試合だった。日本が,米国を3-1とリードしていた第8エンドに,微妙な状態になった。赤いストーンが日本だが,米国は,自分たちの黄色のストーンがハウスの中にあれば2点をとり,追いつくことができる。この黄色ストーンは,赤のストーンが壁にぶつかって跳ね返ってあたってその影響を受けている。
Clcurlingman2016
判定の方法がよくわからないが,基本は,両国の合意ということになっている。激しいやりとりの後,結局,米国の言い分が通った。日本側の観戦者は,みな,アンフェアと思ったはずである。スコットランドのイブ。ミュアヘッドは「That yellow was never staying in the house....crazy! 」とツイートしていたのだが。

 これで,日本は負けて,2位との準決勝には進めず,3位決定戦では,デンマークに負けた米国と再戦した。日本6-7米国の第10エンドのスキップ両角選手の最終ストーン,そのままなら同点,うまく中央に置くことができれば2点で逆転3位だったのだが,前の石にあたって,米国の中央近くの石をおしてしまい,これがナンバーワンストーンとなり,試合は終了した。

 なんとも。


2016年3月25日 (金)

カーリング女子世界選手権の驚き

 カナダで開かれているカーリング女子世界選手権をNHK-BSが日本が出場する試合を全戦中継している。

 予選は,12チーム総当たりである。日本の最終戦は,世界順位1位の開催国カナダだった。6-2で日本がリードしている第六エンドの後攻の日本,スキップの藤沢五月選手の最終の一投は,周りを日本の黄色の4石で囲まれたカナダの石に真っ直ぐ向かっていった。

 この大会の日本代表は,パシフィックアジア選手権で金メダル,日本選手権で優勝しったLS北見である。LS北見は,本橋麻里選手が中心であるが,出産のため,スキップの座を移籍してきた藤沢選手に譲っている。

 世界選手権の緒戦は,三連勝だった。世界ランキングでは日本は9位だが,それより下位のフィンランド,カナダとの対戦だったが,第三戦では,欧州チャンピオンのロシアを下した。その後,デンマークに4-11で大敗,次の韓国には,延長戦に勝ったものの,第五戦では,強豪のスイスに負けた。
 これで,上位進出の望みはなくなったと思った。最後に,スコットランドとカナダとの対戦があり,ここで確実に2敗するはずであるから,5,6勝が精一杯だと予想した。ところが,日本チームは,この後,スウェーデン,ドイツを撃破,苦手の米国に勝ち,さらに,イヴ・ミュアヘッド選手のスコットランドに第7エンドまでに10-4と引き離し,コンシードとなった。
 そして,最終戦の第六エンドで,藤沢選手の石は,カナダの石を芯に当ててはじき飛ばして5点を得た。カナダは,諦めるしかなかった。あっけない終わり方で,日本は,9勝2敗で暫定1位となり,決勝戦進出を決めた。
Curling2016

 対スウェーデン戦以外は全て観たが,特に後半,適切な判断,正確,安定,相互のコミュニケーションなどで感心することばかりだった。国際試合の経験は乏しいにもかかわらず,落ち着いて実力を発揮している同じような背格好の20歳代前半の選手たちは,試合中にもよく笑っている。どの選手もショットの成功率が高く,特にサードの吉田知那美選手は,全選手中で一位だった。リードの吉田夕梨花選手は,はじき出すことが禁止されている相手のガードの石を自在に動かすことができるようになり,セカンドの鈴木夕湖選手は,全力でスイープしている。

 試合ごとに力を付けていることがよくわかるし,スコットランドとカナダに連勝したのだから,最も強いグループと競り合えるレベルにまで達してしまったらしい。

 今の状態でも快挙だが,残る複雑な決勝戦で少なくとも1勝すれば3位以内である。


2015年5月27日 (水)

ドラマのような結末だった大相撲夏場所

 大相撲夏場所が終わり,関脇になったばかりの照ノ富士が12勝3敗で初優勝。初日に負けた後,7連勝,徳勝龍,白鵬に負けた後,終盤は全勝である。

 横綱の白鵬は,初日に負けた後は,強さを発揮していたが,終盤,豪栄道と稀勢の里に負けて,3敗となっていた。しかし,千秋楽には,照ノ富士が先に3敗を守り,白鵬は優勝するには,日馬富士を倒して3敗を維持し,決定戦に持ち込む必要があった。しかし,照ノ富士の兄弟子である日馬富士は,奮闘し劣勢を挽回,白鵬を倒した。まことに白鵬を敵役としたドラマのような展開であった。

 白鵬の11勝4敗は珍しいことである。白鵬は,豪栄道戦と稀勢の里戦では,相手を土俵際まで追い詰め,あとひと息というところで,一瞬力が抜けたのか,相手の必死の投げを防ぎきれずに先に落ちた。おそらく,自分が負けたという判定に納得が行かなかっただろう。以前から審判不信のようだ。少しずつ力が落ちてきたのかと思う。

Oozumou2015  しばらく前から大相撲の人気が高まり,今場所は,連日,満員御礼だった。照ノ富士は,短期間に上昇してきた力士である。稽古をよくするし,腕の力が強いようだ。両回しをとらせて,かんぬきで一気に押し出した相撲をはじめ,回しを引きつけ体を寄せていくところに強さを感じさせる。

 同じモンゴル出身の逸ノ城も若く大きく出世が速かったが,取り口を研究され,今場所は勝ち越すのが精一杯だった。

 やはり,若手で髷が結えないほど速く幕内に達した遠藤は,先場所に足を痛め,半年くらい出場が難しいという話だったが,今場所で初日から出場した。案の定,連敗し,「怪我をきちんと直して,十分稽古してからから出るべきだ」という正論を評論家や記者は述べていたが,終盤には勝って,6勝9敗だったが,これで十両に落ちることはなくなった。何を考えているのかわからない不思議な力士である。遠藤には根強い人気があり,勝った時の場内の歓声は一番であるし,負け続けても懸賞金の数は減らない。

 東大の野球を取り上げた2015年5月25日の朝日新聞『天声人語』は,次のように書いて終わっている。

新鋭の台頭を讃えつつ、外国出身力士の優勝が足かけ10年続き、日本勢が「55場所連敗」では寂しい。「負けて騒がれるようになれ」の激励を、東大ではなく日本の関取衆に送りたい

 思わず本音を述べたのだろう。しかし,がんばっている外国人力士は,どう思うだろう。看板コラムで外国人力士と日本人力士を堂々と区別する無神経な記者がいるのは「寂しい」ことである。もっとも最後の一文は意味不明だが。


2015年3月25日 (水)

カーリング選手権決勝の最後のストーンの行方の不思議

 結局,カーリング女子世界選手権のタイブレーカー以後の試合は,インターネット中継で観た。音英は英語であるが,映像は満足できるものだった。NHKは,結局,2回にわたって決勝戦を録画で放送した。しかし,両方とも短縮されていた。さらに,NHKで録画とはいえ放送するからなのだろうが,日本でインターネット中継の映像を観ることができなかった。インターネット中継を観ていたカーリングファンは,ほんおわずかであるのに,随分とむごいことをするものである。せっかく,世界選手権を中継して好感を持たれていたのに,裏切られた感じがした。仕方なく,一投毎に示されるサークルの画像で満足するしかなかった。

 スイス対カナダの決勝戦は,好ゲームだった。スイスは,予選リーグは1敗で1位,<プレーオフ 1位-2位>でカナダに勝った。カナダは2敗の2位で<プレーオフ 1位-2位>でスイスに負けた後,<準決勝>でロシアに圧勝,決勝に臨んだ。

 スイスチームの試合をあまり観ていなかったので知らなかったが,ソチオリンピックまでスイスチームを率いたオット選手は引退し,コーチになっている。スイスがどのように国代表を決めているのかわからないのであるが,スキップは,ソチでは補欠で出ていなかったパッツ選手であり,残りの三人もあまりたくましさは感じられない,街の中を歩いていそうな普通の若い娘といった感じだった。しかし,このスイスチームが大変に強い。上手なだけでなくタフである。見た目との落差が大きい。

 一方のカナダは,昨年の冬季オリンピックで優勝したメンバーであり,ジョーンズ選手は,現在のナンバーワンのスキップであるし,他の三人も高い能力を持ち,全体として勝負強く,何より上手い。

Curling20153  決勝戦は,スイスが着々と得点を重ね,第6エンドでは2点をスティール,スイス4-0カナダとなり,これで勝負は決まったと思った。しかし,ジョーンズ選手が諦めるわけはなく,次のエンドでは2点を返し,第9エンドで1点をスティールして,スイス4-3カナダと追いかけて,第10エンドがどうなるかは,全くわからなくなった。カナダは同点にするか,勝ち越そうという勢いである。そして最終エンドのジョーンズ選手の最後の1投で,カナダはナンバーワンからナンバー4までを確保し,しかも,スイスがサークルの真ん中に置くことができないようにガードしていた。ジョーンズ選手は,隣にいるローズ選手にめずらしく微笑んだ。勝利を確信していても無理はない。

Curling20152  後攻スイスの眼鏡をかけた小柄なスキップのパッツ選手の最後の一投は,カナダのナンバー2ストーンの端にあたり,これでだめかと思ったら,投げたストーンは回りながらサークルの中心に近づき,ほんのわずかカナダより中心に近く停まり,ナンバーワンストーンとなった。スイスは1点獲得し,5-3で勝ち,金メダルを得た。劇的な幕切れだった。

 スイスは強かったということだが,そうだろうか。カーリングでは投げたストーンは,選手,スキップ,スイーパーの力で前に運ばれていく。全ての場合ではないが,スイープをやめてから,あるいは相手のストーンに当たって後の展開は,人間の力が及ばない領域であるように思う。今回の最後の一投の行方は人智を超えていた。


2015年3月20日 (金)

カーリングの選手のミスをあげつらう『朝日新聞』

 札幌で開催されている世界女子カーリング選手権に開催国枠で出場した日本代表の北海道銀行チームは,6勝5敗で11チーム中6位となった。NHKのBSで日本チームの出場試合は全て中継された。ほとんどの試合を観た。

 『朝日新聞』(2015年3月19日朝刊)の「日本,中国に敗れる 5勝4敗』では,

大黒柱のスキップ小笠原のショットが決まらない。第1エンドは相手の石をはじき出せずにハウス(円)に残して1点献上。第2エンドは難易度の低いショットを選択して2点を取りにいっても良かったが,「貪欲(どんよく)にいきすぎた」。果敢に3点を狙った一投は精度を欠き,1点に終わった。結果的にこうした序盤のミスが勝敗を分けた。

と小笠原選手を批判している.。

  カーリングの試合を観つづけていると,選手一人一人の一投をあげつらう気にはなれない。ストーンを投げるときは,スキップあるいはサードの指示に従うわけであるし,スイーパーの力も大きい。全てを個人の責任にするのは失礼な話ではないか。

 カーリング中継に浸っているテレビ視聴者が考えている水準以下の記事を載せている。未だに「カーママ」などという見出しを付けるスポーツ新聞と同程度である。

 今回,小笠原選手がスキップとして,まだ馴染んでないメンバーを率いて奮闘しているのを全く知らない読者が大部分ではないかと思われるが,こんな形では,ミスが多い「大黒柱のスキップ」というイメージを植え付けることになる。

Curling2015  新設のリンクであるため,地元開催の有利さがほとんどなかったそうであるし,小笠原選手以外は,経験の浅い若手ばかりということを考えると,全敗してもおかしくないはずなのに,6勝5敗は好成績である。もちろん,中国やカナダに勝てば,先にすすめたであろうが,今回はこの二か国とスイスが強かった。

 カナダの40歳のスキップのジェニファー・ジョーンズ選手は,いつも余裕をもって投げているように感じた。もちろん経験豊富で技量が高く,精神的に強いからであるが,リードからサードまでのカナダの選手が優秀で,ほとんど注文取りの結果を出しているためでもあることがよくわかった。

 NHKの中継は,解説者が優れていて,好感が持てるし,競技の普及に役立っている。しかし,カーリングの決勝は,日本チームが出場しないので中継しない。しかし,日本が出なくても強国の対戦を観たいと思う視聴者は多いはずだ。

 ファンであるカナダのケイトリン・ローズ選手をもう一度観たい。


2014年12月31日 (水)

花園2014の2回戦

 近鉄の大阪難波駅から奈良線の区間準急に乗る。東花園駅に到着。全国高校ラグビー大会に来るのは4回目となる。最近では4年前であるが,そのときは,駅の工事をしていた。それがとっくに終わっていて,高架駅になっていた。

 駅から近鉄花園ラグビー場入り口までの長い直線道路は,観客とラグビー部員たちでいっぱいである。入り口から切符売場までもかなり距離がある。さらに第二グラウンドまでは,人混みと売店をかき分けて,長い距離を歩かなければならない。前回は第一グラウンドだったが,確か雨が降り出した。今日は晴れている。

Hanazono2014  第二グラウンドは,メインスタンドでも4段ほどの椅子席しかない。バックスタンド側が両校の応援団席である。何とかメインスタンドの4段目最上段に席を確保した。一つ前の試合には,優勝最有力候補の九州の高校が出場した。1回戦を勝ち上がった相手に対し手を抜くことなく自分たちのラグビーをする。大阪の中学出身者が多いようだが,次々と突破して,独走する個々の選手の強さは,素質ではなく,コーチングによるものだろう。100点ゲームになる。この試合の最中,日が陰りはじめ,小雨が降り出し,天気の先行きが不安になったが,また,晴れてきたのでほっとする。

 ようやく,応援する高校の試合となる。始まってすぐに,敵陣ラインアウトをキャッチし,モールであっさり押し込んでフッカーの選手がトライ,5分後にも同じようにフォワードがトライをあげて,その後も順調に加点していった。しかし,対戦校は,1回戦では,後半に強かった。後半は,一進一退を繰り返し,互角で終わったが,前半で勝負はついていた。

 ロックの二人とも身長が190センチであり,ラインアウトを確実に獲ることができる。これができると,相手ゴール前のラインアウトからモールでトライできる可能性が高まり,決め手となる。さらに,相手は,モールの対策に人を割かなければならず,バックスによるトライも引き出すことができる。いずれにしてもフォワードもバックスもよく訓練されており,15年前の準々決勝進出を上回ってくれるとよいと思うが,それほど甘くはないだろう。


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