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2016年6月 2日 (木)

『とと姉ちゃん』のキョトン

 はるか昔,中学生の頃,家にあった『暮しの手帖』をよく読んだ。ユニークな商品テストの方法に感心し,そのために商品広告を載せない潔よさがこの雑誌の主張の一つであることを知った。その後,花森安治の著作を読んだ。しかし,今回のNHKの朝のドラマが始まるまで,『暮しの手帖』の創刊から編集までに,別の女性がかかわっていたことを知らなかった。

Totoneechan  『とと姉ちゃん』も二か月が過ぎた。しかし,『まれ』,『純と愛』,『梅ちゃん先生』,『おひさま』と同じく,続けて観る気が次第に失せている。脚本や演出,主人公,それに演じる女優に好漢が持てないという点が,これまでと共通している。前作『あさが来た』は,主人公ばかりでなく,ほとんどの登場人物,出演者の毎日が気がかりだったし,また,誰もが生き生きとしていた。『とと姉ちゃん』の登場人物は,全体的にくすんでいる。

 制作側は,主人公を常人とは違ったヒロインではなく,普通のどこにでもいる等身大の人物としたいように見受けられる。しかし,そのために朝の連続ドラマで視聴者がストレスを感じてばかりでは困るのではないか。

 主人公常子は,新しい場では,常に孤立する。タイピストとして雇われた会社で,仕事を与えられないので,男性社員の手助けの書類整理を,書類を家にまで持ち帰って夜中までかかり,なんとかやり遂げて,持って行くと「そこに置いといて」と言われただけだった。常子は,褒め言葉を期待する表情をする。しかし,報われなかった。

 リーダーからよせと言われても,別の男性社員から同じような仕事を頼まれて,家に持ち帰ってやり遂げて,持って行くが,やはり,「そこに置いといて」だけだった。その時の主人公のする表情は,前の時と全く同じだった。これはおかしい。

 二回目には,お褒めの言葉がなかったというだけでなく,やっぱりリーダーの言う通りだったという絶望に近い表情も必要なはずである。しかし,演出家はそう考えず,またこの女優もいつものキョトンとした判断停止状態で済ませていた。

 主題歌の歌詞がよく聞き取れないというもの腹立たしさの一因である。


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