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2015年9月12日 (土)

ようやく終わる『まれ』

 この半年間,NHKのBSで『あまちゃん』の再放送を欠かさず一つ一つの台詞を聞きのがさぬように観てきた。NHKの連続テレビ小説のここ10年のベスト3は,1位『ちりとてちん』,2位『あまちゃん』,3位『カーネーション』と思っている。『おひさま』,『梅ちゃん先生』は,かなり問題ありと思ったが,もっと問題のあったのは『純と愛』だった。この不評判ドラマは,『あまちゃん』より前の作品であるが,再放送されていない。NHKも『純と愛』が失敗作であることを自覚していると思いたい。

 『あまちゃん』のBSの再放送は7時15分からで,これが終わると今期の『まれ』となるが,続けて観ようという気にはならない。雰囲気が悪くなるし,ドラマの質が違いすぎる。『まれ』は,8時からほとんどの人がそうしているように集中力を働かせず観ている。

 ツイッターのタグ「#まれ」やヤフーのドラマ掲示板では,その書き込みの9割以上は,『まれ』批判の意見である。放送開始直後のまれ役の子役は,たいそう皆に気に入られていたが,ひと月も経たぬうちにこのドラマはだめだという意見が多くなった。

 『まれ』批判の対象はまず脚本,演出に対して向けられるが,出演者やナレーターにも及んでいる。自分も含めてであるが,おそらくドラマ好きの人々は,この連続ドラマでは,主人公は,パティシエ志望であるから,菓子作りを丁寧に見せるのだろう,次第に名を高めていくのだろうと思い込んでいた。しかし,そうではなかった。主人公は,菓子を作る過程には一切関心がない。人生では,不毛な二者択一の繰り返し,あれもこれもするのだと節操がない。

 NHKは,今年の例で言えば『64』や『美女と男子』のように,よく出来たドラマを作っている。例えば『64』は,最初からとげとげしく,陰鬱な雰囲気でどうなるかと思ったが,最終回に一挙に大団円へと流れていく演出,ピエール瀧ばかりでなく段田安則,尾美としのりらの抜群のキャスティングなどさすがNHK,口を挟む余地はないと思わせるドラマだった。

Mare  しかし,『まれ』はプロが作っているとは思えなかった。脚本家と演出家の両方とも何か新しいことをしたかったのかもしれない。しかし,例えば,ユーモアのセンスがないといったいくつもの欠陥のため失敗に終わった。男子トイレの中を若い女性が上から覗くのがユーモアだと思っている。

 NHKは,放送を終えるまでは,好評のふりをするだろうが,『純と愛』のように再放送しないという冷酷な判断をすることになるに違いない。


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