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2014年1月24日 (金)

猿之助,巳之助,愛之助,梅丸

Asakusa2014  浅草公会堂で「新春浅草歌舞伎」の昼の部を観た。満員だった。

 最初は,片岡愛之助の『義賢最期』である。密かに源氏再興を期す木曽義賢は,平家の捕り手に殺されてしまう。死ぬまでの立ち回りが長い。30分以上あっただろうか,途中,子供,老人,女性の立ち回りもあるが,愛之助は,疲れ果てたであろう最後に,「仏倒し」という荒技があるのに加えて,階段上から,前のめりに倒れて絶命した。

 終わったあと,周囲でオペラグラスで舞台を眺めていた若い女性たちが言っていたのは,待宵姫役の中村梅丸がおそろしく可愛いということだった。最近のアイドル顔負けの梅丸は,一般家庭出身の高校二年生らしい。

 市川猿之助は,あまり演じられることのない『上州土産百両首』である。これは観てよかった。よい芝居だった。

 オー・ヘンリーの短篇に影響を受けた話とのことである。正太郎(市川猿之助)は幼なじみでどじで落語の与太郎のような牙次郎(坂東巳之助)と十年ぶりに出会ったが,二人とも掏摸になっていた。堅気になって十年後に合おうと約束し別れる。

 十年後,正太郎は上州の大きな料亭で板前になっていて,跡取り娘と祝言をあげることになっていた。そこに,昔の掏摸仲間三次がきて,正太郎がためて牙次郎に渡そうとしていた二百両をよこせ,そうしないと告げ口すると脅す。三次を殺した正太郎は,凶状持ちとなり,捕まって金を召し上げられたが,再逃亡して,牙次郎に合うために江戸を目指す。

 牙次郎は隼の勘次親分の元で岡っ引きになっていた。浅草待乳山聖天の境内での再会を楽しみにする牙次郎から,牙次郎の相手が正太郎らしいと勘づいて捕り方を待乳山を包囲させ,正太郎を捕らえる。自分を罠にかけたと牙次郎に対して怒る正太郎に,誤解を解こうと牙次郎は必死に説明する。

 薄幸の幼なじみ二人が慕いあい,かばいあう切ない物語で,幕切れでは場内にすすり泣きの声が高まった。さっぱりしている猿之助もよいが,役になりきった巳之助に感心した。みぐるみ三次(中村亀鶴)は深い事情のありそうなクールな悪党だった。


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