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2012年6月25日 (月)

四代目猿之助の襲名公演

Shumei2012  新橋演舞場の6月歌舞伎は,「初代市川猿翁,三代目市川談四郎五十回忌追善」興行であり,その場で,四代目市川猿之助,九代目市川中車らの襲名披露をするということになっている。

 最初の演目は,新中車の「小栗栖の長兵衛」である。肩透かしを食うような内容であるが,意外にも,中車の演じる長兵衛は,台詞は多く,動きも多い役柄だった。懸命に演じていることはよくわかるが,好きで歌舞伎の舞台に立っているのかどうかはわからない。

  30分の休憩の後が「口上」である。これが 25分もあるがドラマもある。坂田藤十郎を新猿之助は,「山城屋のおじさん」と呼ぶのであるが,香川照之こと市川中車は,「坂田藤十郎様」と呼ぶしかない。内部の人間と外から来た人とが豁然と区別される瞬間だった。

 そして,もう一度30分の休憩があった後,「義経千本桜川連法眼館の場」となる。昨年 5月に明治座で亀治郎が演じる狐忠信を観たが,今回は体力の要る役を余裕をもって溌剌と演じている印象である。昔,今の猿翁の狐忠信を観たが,こうして,若い者に引き継がれていくのかと思た。

 猿之助は,ありあまるエネルギーを宙乗りでえらく暴れて発散している。


2012年6月24日 (日)

文藝別冊「総特集 いしいひさいち」

Ishiihisaichi  神保町の東京堂書店で文藝別冊「総特集 いしいひさいち」(河出書房)を買った。出たばかりらしい。「デビュー40周年」,「仁義なきお笑い」などという副題がついている。まず,誕生,生育の地岡山県玉野市と下宿していた下新庄の写真紹介がある。次に,自筆のインタビュー記録,さらに,いがらしみきお,しりあがり壽,とり・みき,吉田戦車,秋月りす,西原理恵子らの特別寄稿マンガ,そして仕事場とノート,幻の青春叙情ストーリーなどと続く。

 最後に出版目録がある。全部ではないが『ドーナツブックス いしいひさいち選集』も双葉文庫の『ひさいち文庫』もかなり持っている。いしいひさいち氏の愛読者の誰でもが言うことであるが,「いしいひさいちは天才」であり,何度も繰り返して読んでもおかしく,ほとんど駄作がない。山田風太郎と同じである。

 後半の中心は,どの似顔が好きかという議論と人気投票であるが,1位 ヒロオカ,2位 シノズカ,3位 ヤスダ,4位 ナベツネ,5位 ヒロサワという結果だった。ちょっとプロ野球に偏り過ぎである。宮沢喜一,江畑謙介,アサシオなども忘れてはならぬと思う。

 さらに言えば,ヒロオカよりも漢字二文字の題名の本を出している純文学作家広岡達三や新進作家藤原ひとみ先生がよい。

 いしいひさいち氏の場合,もはや似顔絵という段階は超えていて,対象の内面に迫っている。小沢一郎やナベツネばかりでなく,ゴルバチョフ,エリツィン,金正日,フセイン,同列にして悪いがヒラリーなどの実物には,いしいひさいち氏が描いた中にかなりの真実が含まれているように思う。

 それどころか,こうした人物の名を聞くときに,まず,いしいひさいち氏の4コママンガを思い浮かべるようになってしまっているのだから恐ろしい。


2012年6月23日 (土)

野々すみ花様退団公演

 東京宝塚劇場で月組『華やかなりし日々』とグランド・ショー『クライマックス』を観る。1階の後ろの席を,オークションで購入した。

 いつもより男性客は少ない。1パーセントくらいだった。

 宙組のトップ男役大空祐飛とトップ娘役野々すみ花の退団公演である。就任して3年ほどであるから,短いような気がする。『カサブランカ』や『銀ちゃんの恋』などを観た。

Nonosumika  『華やかなりし日々』は,ニューヨークの1920年代のショービジネスの話である。野々すみ花嬢は,二つの劇中のショーの場面が素晴らしい。

後半のグランド・ショーを観ていて,宝塚の特別な世界を作り上げる力の7割はショーにあることを実感した。宝塚の観客は,ショーに満足して帰るのだ。特に,退団公演は,劇ではなくショーで盛り上がる。大空祐飛さんが観客に手拍子と動作を求めるパフォーマンスがあるのだが,野々すみ花さんを観に来た男性客は身の置き所がない。

 宝塚のトップ男役は30歳代半ばから後半で引退するが,女優として続けるのはなかなか大変そうである。トップ娘役は,宝塚にいるのは短くても,20歳代後半で退団すれば,その後の活躍の道がある。普段は目立たないが,舞台では別人のような演技力を示す,宝塚の北島マヤと言われてきた野々すみ花は,舞台やドラマでの将来を期待したい。


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