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2011年6月18日 (土)

『おひさま』を観る毎日

Ohisama ドラマ『おひさま』は,開始以来2か月,10週間目で主人公は結婚にいたった。NHKの朝の連続ドラマを毎回観るのは,『ちりとてちん』以来のことである。主演の井上真央嬢も『ちりとてちん』は一話も欠かさず観たとのことである。

 戦前の信州安曇野の比較的穏やかな日々に成長した陽子(井上真央)は,戦争中に,まもなく出征する蕎麦屋の息子と結婚する。

 このドラマの脚本と演出は油断ができない。陽子は見合いをしたのだが,相手の蕎麦屋の息子から,軽い気持ちで見合いをしたが,出征することを考えると無責任なことはできないと断られる。しばらく経って,陽子は父と,蕎麦屋を訪れ,蕎麦屋の一家と遅くまで酒を飲んだ。そこで,生まれて初めて深酒をした陽子は,酔っぱらってしまい,思わず結婚したいとつぶやく。それをみなが聞いてしまい,翌日から結婚式の準備が始まる。こうした,かなりひねった形で,あまり自分のことを言わない設定である陽子に陽子らしく告白させる手際がよい。

 現代の語り手は,陽子の今の姿若尾文子であり,さらに聞き手が斉藤由貴である。この斉藤由貴が騒々しいと言われている。斉藤由貴はおそらく最後に重要な役割を果たすために最初から出ているのだろう。

 多分,厳しい目でみれば問題はあろうが,家や家具,たたずまいは,戦前の様子をよく再現しているように見える。陽子は国民学校の先生なのでであるが,この生徒達がまたよいというか,独特の選ばれ方である。

 このドラマは,時々,この先の展開を漏らしたりももする。しかし,先がよくわからない。しかも今は戦時中で主な若い男4人が出征している。このうち何人かが死んでしまうことは確実だが,それが誰かは予想ができない。

 井上真央は,平凡でさほど目立たないのであるが,『花より男子』の時もそうだったが,観客が感情移入しやすいという天性の素質があるように思う。このドラマを観ている人間はみな陽子の立場で成り行きを観ている。主人公なら当たり前であるのかもしれないが,得難い才能である。大河ドラマの『江』では,いつまで経ってもこれができないでいる。


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