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2010年12月30日 (木)

「ジュンク堂書店 梅田店」はやはり広い


 2010年12月22日に開店した「日本最大級2060坪,200万冊の品揃え!」という「MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店」に行った。

 阪急梅田駅の茶屋町口からは4,5分であるが,JRの大阪駅からは10分以上かかる。

 関西の住人ではないので,この茶屋町がどのように位置づけられた街なのかよくわからない。先日,梅田芸術劇場に行ったので,茶屋町は初めてではないが,雑多なものがあるという印象である。専門店の入った大きなビルがあるかと思えば,平屋の靴の安売り店がある。

Junkudoumeda_3 「LOFT梅田店」の隣にある「MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店」は,新築ビル一棟の地下1階から7階までを占めている。八重洲ブックセンターやジュンク堂書店池袋本店と同じである。ただ,各回のフロアが広い。

 全フロアがフローリングではないが,本棚や並べ方,網羅性などは,東急本店と同じくジュンク堂のスタイルである。「哲学」の棚には,雑誌『思想』,『現代思想』,『環』などのバックナンバーも並んでいる。書棚の高さは手の届く範囲で,窓から光が入ってくる。文具は,神戸のNAGASAWAが入っており,丸善の存在感は薄い。洋書だけかと思ってしまう。

 アマゾンで在庫切れが近そうな文庫本4冊を探してみたが,うち3冊が見つかった。他に旅行やパソコンの本など計7冊を買った。そして,リニューアルしたいつも混んでいる紀伊國屋書店梅田本店で確かめたところ,在庫があるのは2冊だけだった。

 キャッチフレーズをよく見ると「日本最大級」であり,「日本最大」ではない。高松市の宮脇書店総本店は,これまで「国内最大の売り場面積を誇」ってきたが,売り場面積は6,207平米らしい。ジュンク堂書店の池袋本店は2,001坪なので,この梅田店は,やはり日本最大なのだろう。


2010年12月26日 (日)

今年読んだ小説30冊

Tokinochizu 今年,発売されて読見終えた小説は30冊。ただし,『イリアム』は,2006年に単行書が出たていて,今年,文庫で出たので読み終えたが,もっと早く読まなければいけなかった。

 話題の『ファージング』は,評判は1,3,2であるが,好みからは,2,3,1の順だった。2の『暗殺のハムレット』の男女を入れ替えた芝居が興味深い。また,3『バッキンガムの光芒』の最後のご都合主義のあっけない政変で大団円というのは,ここまで引っ張ってきたのにと失望した。

 『アンダーカレント』は,殺人が多すぎる点で本当は?であるが,わたらせ渓谷鉄道に行った時に読んだので,強く印象に残る。『石田三成』の八岐大蛇と八咫烏のすさまじい戦い,それに,時を離れた同じ場所での二つの戦いを相似形にする手際に感心させられた。

 『エデン』は,取っつきにくいツールドフランスの仕組みがよくわかるし,今年活躍の新城選手の存在が現実味を感じさせた。

 ダン・シモンズ,荒山徹,フェリクス J.パルマ(『時の地図』)各氏の想像力豊かなというかホラ話,『原稿零枚日記』の少しだけずれた世界に浸ることができた。

 本当は,◎の中に『古書の来歴』(ジェラルディン・ブルックス,ランダムハウス講談社)が入るのであるが,まだ,読み終えていない。新しく買った本や図書館から借りた本が先になり,本当に読みたい本は後回しになってしまう。


◎  『エデン』(近藤史恵,新潮社),『イリアム』(ダン・シモンズ,早川書房),『小さいおうち』(中島京子,文藝春秋),『原稿零枚日記』(小川洋子,集英社),『石田三成』(荒山徹,講談社),『時の地図』(フェリクス J.パルマ,早川書房)

○ 『竹島御免状』(荒山徹,角川書店),『スパルタの黄金を探せ!』(クライブ・カッスラー他,ソフトバンククリエイティブ),『アンダーカレント 湖に沈んだ鉄路』(風戸涼,ブイツーソリューション),『暗殺のハムレット ファージング2』(ジョー・ウォルトン,東京創元社),『お別れの音』(青山七恵,文藝春秋)

? 『橋』(橋本治,文藝春秋),『シャーロック・ホームズ最後の解決』(マイケル・シェイボン,新潮社),『ロスト・シンボル』(ダン・ブラウン,角川書店),『火群のごとく』(あさのあつこ,文藝春秋),『P2』(ルイス・ミゲル・ローシャ,新潮社),『ノンストップ!』(サイモン・カーニック,文藝春秋),『押しかけ探偵』(リース・ボウエン,講談社),『スリープ』(乾くるみ,角川春樹事務所),『催眠』(ラーシュ・ケプレル,早川書房),『陸軍士官学校の死』(ルイス・ベイヤード,東京創元社),『レクイエムの夜』(レベッカ・キャントレル,早川書房),『エルサレムの秘宝を発見せよ!』(クライブ・カッスラー他,ソフトバンククリエイティブ),『セカンド・ラブ』(乾くるみ,文藝春秋),『謎解きはディナーのあとで』(東川篤哉,小学館),『機械探偵クリク・ロボット』(カミ,早川書房),『英雄たちの朝 ファージング1』(ジョー・ウォルトン,東京創元社),『失われた深海都市に迫れ』(クライブ・カッスラー他,新潮社),『ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ』(オレン・スタインハウアー,早川書房),『バッキンガムの光芒 ファージング3』(ジョー・ウォルトン,東京創元社)


2010年12月11日 (土)

『漂流巌流島』が語る赤穂浪士から44年後の刃傷事件の真相

 いわゆる赤穂浪士四十七士は,元禄15(1703)年12月14日に吉良邸に討ち入り,見事本懐を遂げ,その後,全員切腹となった。「雪は消えても消えのこる 名は千載の後までも」と明治33(2000)年にうたわれ,現在でも繰り返し賞賛される。この事件は,赤穂藩主浅野内匠頭長矩が江戸城内で高家旗本吉良上野介義央に斬りかかってとめられ,吉良は手傷を負ったがとがめなく,浅野は切腹,藩は取りつぶされたことに発している。浅野が何故,斬りかかったかははっきりしない。吉良家は,現在に至るまで悪役である。

 泉岳寺に引き上げた赤穂浪士の内17名を預かったのが細川家である。細川家は,かれらを鄭重に扱ったことで有名である。

 さて,その44年後の延享4(1747)年,細川越中守宗孝32歳は,総登城の殿中で,手洗いに行ったところ突如,後ろから旗本の板倉修理勝該に斬りつけられ,数カ所の傷を負い,血だらけとなった。早々に駕籠に乗せられ下城した。後に,細川宗孝が死亡したと届けがあり,実弟が家督を相続した。加害者の板倉は切腹となった。

Hyouryuu 高井忍『漂流巌流島』(東京創元社,2010,361p.(創元推理文庫))は,浅手であったはずの細川宗孝が死亡したのはおかしいと言いはじめ,驚くべき推理をする。細川家はいったい何に怯えたのか。

 著者は,歴史の中で繰り返される事件にみられる,気付きにくい型,パターンを明らかにしている。それどころか,赤穂事件の中で起きていた異常さというか理不尽さにも気付かせてくれる。

 『漂流巌流島』は他に,巌流島,新撰組,荒木又右エ門が扱われるが,この忠臣蔵が一番ではないか。


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