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2010年11月21日 (日)

吉野で日本最大祕仏を拝観

 吉野には桜を観るために,これまで何度も行ったことがある。いつも,朝早く東京を出て,名古屋で近鉄に乗り換え,八木と橿原神宮前でさらに乗り換えて,5時間ほどかけて吉野に達する。京都から行っても多分,到着時刻は変わらないだろうがが,近鉄の東青山から長谷寺までの山間に瓦葺きの家々が点在する落ち着いた風景が好ましい。

Zaoudo 秋に吉野に行くのは,日本最大祕仏「金剛蔵王現像」百日特別ご開帳の拝観のためである。

 近鉄吉野駅は山間のターミナル駅で,降りて少し行くと吉野の峰に登るロープウェーの駅がある。このロープウェーは,「現存する最古のロープウェイ」であるそうだ。地表すれすれを登っていく。山腹に溝を掘ってようやく通している箇所もある。下の駅付近は紅葉が見事である。

 ロープウェー降り口から蔵王堂までの道は,それほど長くはないが記憶していたよりきつかった。途中の「銅の鳥居」で「吉野なる銅(かね)の鳥居に手をかけて弥陀の浄土に入るぞうれしき」と唱えながら鳥居にさわることはよく覚えていた。

 この金峯山寺蔵王堂の建物は,日本の木造建築では,奈良の大仏殿に次いで二番目の大きさである。吉野の峰という立地,建物としての壮大さ,そして修験道で果たしている役割などで比類のない建築物となっている。国内で最も好きな建物である。
 拝観料1,000円を払って,中に入ると,三体の巨大な仏像が姿を現している。ポスターのようにいずれも顔は青く塗られている。権現像というものがどのようなものなのかわからなくなったが,これらは,過去を表す釈迦如来,現在を表す千住観音菩薩,それに未来を表す弥勒菩薩であるという説明だった。
 内陣には,半畳ほどの広さの三方を障子で仕切った仮の小部屋が6室用意されていて,並ぶと順番に,その中に案内してくれる。「仏様と対話をして下さい」,「懺悔をして下さい」という係員の説明だった。そう,キリスト教の教会の懺悔室を連想した。誰がこういった演出を考えるのだろうと思いながら小部屋に入った。


2010年11月17日 (水)

アイチューンの映画レンタルを試す

 アップル社から「iTunes Store にて,大手映画会社が配給する映画のレンタル/販売サービスを開始します。『トイ・ストーリー3』、『セックス・アンド・ザ・シティ 2 [ザ・ムービー] 』、『踊る大捜査線』その他、多くの人気映画をお楽しみいただけます。自宅でゆっくり鑑賞するのはもちろん、iPhone や iPad、iPod を使えば外出先でもお楽しみいただけます]という案内があった。

 早速,レンタルサービスを試してみることにした。まず,アイチューンの新しい版をダウンロードする。


Itune_2 アイチューン・ストアには映画が200作品ほどリストされていた。ただ,字幕版と日本語版が用意されている作品もあるので,実際には,本数はもっと少ない。しかし,ディズニーも入っているし,比較的新しい『NINE』,『シャッターアイランド』から『ベンジャミン・バトン』,『それでも恋するバルセロナ』などを経て,『ニュー・シネマ・パラダイス』,『チャイナ・タウン』までなかなか頑張ったラインアップである。

 映画館で観たが記憶の薄い『(500)日のサマー』((500)days of summer,2009,マーク・ウェブ)をレンタルすることにした。『ローマの休日』は200円だが,これは400円と高い。上演時間は1時間35分,1.25GBのダウンロードに,自宅のパソコン,通信環境では29分かかった。
 
 アイチューンの「レンタルした項目」の中にできたアイコンを押すと「クイックタイム」による再生がはじまる。早送りや巻き戻しなどの機能は使えないが,下のスライダーは有効なので問題はない。

 レンタルしてから30日以内に観ること,再生開始後48時間で消えるという仕組みであるので,いつ観はじめるのかは重要である。

 DVDの郵送レンタルサービスでは,1枚100円の例もあるが,郵送料がかかるので,実際は250円ほどである。別のサービスは,郵送料を含めて1枚400円を超える。レンタル日数は実質は1週間である。店頭のレンタル料金は,千差万別であるが,現在,利用している店は,1枚1週間380円と高い。これらを勘案して,アイチューンの映画レンタル料金は200円から400円という価格設定になっているのだろう。

 ただ,ラインアップという点では,既存のDVD郵送サービスや店舗には勝てない。作品選択でいかに工夫するかが今後を左右するだろう。

 さて,『(500)日のサマー』を再び観たが,なぜこの映画の内容を覚えていないかよくわかった。若い男が若い女に出会って振られるだけで,途中に何の出来事もないのだった。特別な雰囲気もない。饒舌と辛辣さのないウディ・アレンの映画。ゾーイ・デシャネルがカラオケで歌う「シュガータウン」は可愛いが,どうも暗い感じがつきまとう。

 こうして,せっかくもう一度観たのに,米国でも日本でも高評価である理由はわかりかねた。


2010年11月 5日 (金)

電話の発明者は誰か

Bell 語り口は少し冗長で,またもう少し整理して述べたらどうかと思うが,セス・シュルマン『グラハム・ベル空白の12日間の謎 今明かされる電話誕生の秘話』(Seth, Shulman,The Telephone Gambit.吉田三知世訳.日経BP社,2010. 365p.)には驚かされた。
 著者のセス・シュルマンは米国の科学ジャーナリストで,マサチューセッツ工科大学のディプナー科学史研究所が行っている毎年三十人ほどの研究者を招いて一年間の研究をさせるプログラムの一員となった。そこで取り上げたのが電話の誕生である。

 グラハム・ベルが電話の特許を申請した時に,イライシャ・グレイとの間に先取権にまつわる長い紛争があり,最終的にベルが勝った。これを調べているうちに,いくつもの疑問がわいてきた。様々な証拠をもとに組み立てていくと特許出願にまつわる陰謀があったらしいという結論になった。

 『グラハム・ベル空白の12日間の謎 今明かされる電話誕生の秘話』という邦題は内容に全く合わない。この本は,グラハム・ベルを告発しているのであり,これでは,ミスリーディングしていると言われても仕方がない。

 決定的な画像が米国議会図書館が公開しているグラハム・ベル文書のデジタル画像にあったというのもデジタル化が役だったという点で興味深い。


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