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2010年7月26日 (月)

「ウェブキャット プラス マイナス」というネーミングセンス

 リニューアルされた国立情報学研究所の「ウェブキャット プラス」は,さすがに評判が悪いようで,結局,簡潔な新しいインターフェースが提供されている。

 これは「ウェブキャット プラス マイナス」(Webcat Plus Minus)というのだが,この投げやりなネーミングにはみな驚いた。

 「Webcat Plusの諸機能から連想検索・書棚機能を除いているためWebcat Plus Minusという名前になりました」ということであるが,ネガティブなイメージの「マイナス」を名前に付けるというセンスはいかがなものか。それほど

 「ウェブキャット プラス」と「ウェブキャット プラス マイナス」のアクセス数を毎月発表してほしいものだ。


2010年7月20日 (火)

日本は欧州に入れてもらえないものか(『「ジャパン」はなぜ負けるのか』)


 サッカーの2010年南アフリカワールドカップでのパラグアイ戦終了後は,かなり悔しい思いをした。しばらくは,試合のことを聞きたくもなかった。ともかくもパラグアイ戦は引き分けであり,次の試合に進む権利をPK戦という方法で失ったに過ぎない。決して負けたわけではない。ラグビーは引き分けならくじを引く。

 そうしたわけで,ワールドカップの日本の戦績は,通算で4勝7敗3引き分けと出場4回にしては良いほうの部類になった。岡田監督も,3敗から2勝4敗1引き分けとなった。

Japanloose サイモン・クーパー,ステファン・シマンスキー『「ジャパン」はなぜ負けるのか : 経済学が解明するサッカーの不条理』(Kuper,Simon, Szymanski, Stefan. Why England lose. 森田浩之訳, 日本放送出版協会, 2010. 381p.) は,ワールドカップ前に出た。これは,経済学者とジャーナリストによるサッカーの分析である。イングランド版と米国版があって,章構成が違い,さらにこの日本版ではイングランドに代わり「ジャパンはなぜ負けるのか」という一章が追加されている。

 ジャーナリストであるサイモン・クーパーが様々な事件や裏話を提供し,経済学者ステファン・シマンスキーが サッカーのデータを統計解析する。サッカーの代表チームの成績が人口,所得,国際試合経験でどれほど説明できるか重回帰分析を行った。すると,ホームの試合では2/3点を余分に与えられているとがわかり,国際試合の経験が対戦相手の2倍あると0.5ゴールを超えるアドバンテージがある。

 日本は,人口,所得,経験から得られるはずのゴールから,1試合あたり,0.2ゴール分成績が下回っている。イタリア,ドイツ,イングランドといった欧州の強豪国は,1試合当たり,0.2ゴール期待を上回り,ブラジルは,0.67ゴールも上回っている。

 日本の記者たちは日本チームに日本人論を反映させるのが好きだ。しかし,サッカー文化は,ヒディングのような優れた指導者がいれば,直ぐに変えることができる。日本にとっての大きな問題は,文化などではなく,日本と他の国,特に欧州との「距離」である。同感である。なんとか,欧州の一角に位置することができないものか。


2010年7月17日 (土)

電子書籍論議はいつも退屈

 あまり盛り上がらないが,今年は「国民読書年」である。「国民読書年」を推進する勢力にいさかか疑問を感じるものの,これは衆議院と参議院の議決に基づいている。一方,「今年は電子書籍元年」という枕言葉は,よく聞く機会がある。

 しかし,電子書籍元年の実態は本当に乏しい。世の中が紙の本から電子書籍に向かう潮流など感じることはできない。米国でアマゾン社のキンドルが売れているというニュースもアップル社のアイパッドも,結局は,電子書籍化への燃料とはならなかった。

 電子書籍の関連記事で必ず言及されるのであるが,これまで日本では二度の電子書籍プロジェクトがあった。1998年頃の電子書籍コンソーシアムと2004年から2005年のソニー「リブリエ」及びパナソニック「シグマブック」開発,販売である。新しいもの好きであるから,電子書籍コンソーシアムのモニターになり,「リブリエ」も「シグマブック」も購入した。しかし,いずれもプロジェクト自体が永続きせず,取りやめになった。もっともらしい失敗の理由も挙げられているが後付けにすぎない。どれも,全体的に失敗しそうだった。

Ebook01
 キンドルは米国では,技術革新をもたらしたのかもしれない。しかし,他の国でも同じことになるとは思えない。日本では,直ぐに出版社や関連会社が連合し,コンソーシアムを作り,相互に牽制しつつ,仲間はずれにならないようにしてきた。護送船団方式は建材で,今回は,国立国会図書館まで加わっているようである。大丈夫か。

 今度のブームには全く関心が持てない。電子書籍をめぐる議論は,いつも同じで退屈である。かつて,大日本印刷が『本とコンピュータ』という雑誌を出していたが,異なる筆者が同じ事を述べるだけだった。一方では,印刷された本に対する激しい愛着が露呈され,もう一方のはしに,著作権や出版流通,ハードの性能といった索漠たる現実があり,この範囲で意見が述べられるだけである。どこかで聞いたことばかりである。

 紙の本はやがて消え去り,電子書籍になるというのは本当のことだろうか。消え去るのだろうが,キンドルもアイパッドも,もしかしたらパソコンも携帯電話も消えた,かなり先のことになるのかもしれない。あらゆるものが電子化したのに,頑張る印刷本は偉い。


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