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2010年1月29日 (金)

気象庁の桜の開花予想がなくなると本当に困るのか

 『日本経済新聞』に,「桜予想咲き乱れ、気象庁撤退、手法競う民間」(2010年1月27日夕刊)という記事が載っている。

 「今春の桜(ソメイヨシノ)の開花をめぐり,民間の気象会社や財団法人が独自のノウハウで予想の正確性を競っている。今春から気象庁が撤退し,新たに1社が参入。来月には3つの予想が出そろうが,名所の観光関係者からは『予想が違ったらどれをあてにすればいいか』と困惑する声もあがる」

と報じている。

Kaikayoso_2 半世紀以上予想を続けてきた気象庁は「国として役目を終えた」と開花予想から撤退した。気象庁の予想をあてにしてイベントの日程を決めていたら確かに困惑するだろう。

 しかし,気象庁が撤退したのは,予想が当たらなくなったからではないのか。

 昨年の4月の『朝日新聞』に「気象庁,今年も桜に泣く 予想、民間に完敗」という記事がある。

 「開花から満開まで時間がかかった今年の桜前線。その開花予想競争は、気象庁の惨敗に終わりそうだ。財団法人日本気象協会と民間のウェザーニューズの3者の予想が出そろって3年。気象庁の精度の低さが目立つ」

 「11地点の予想日とのずれの延べ日数は,協会が19日,ウェザー社が32日,気象庁は48日だった」

のだから,差は大きい。

 これまで,気象庁の開花予想が当たらないことは,誰でも知っているのであり,これを当てにしているほうがおかしい。

 気象庁が季節予報で暖冬と予想したのも当たらなかった。長期の気象予報が当たらないのは仕方のないこと
であるが,高価なスーパーコンピュータなどを使った結果がこれだとするとさびしい。長期予報も「独占」するのはやめて,民間の参入を許したらどうか。


2010年1月26日 (火)

二千円札との遭遇

 勤め先にあるATMを使って,CT銀行の口座から6000円を引き出そうとした。MTU銀行のATMのブースに入り,カードを使って引き出した。

 五千円札と千円札の2枚となると予想していたが,取り出し口にある枚数はそれより多かった。でも6枚ではなく4枚しかない。何か間違いがあったのかと不安になった。

 四枚のお札をよく見ると,見慣れぬ二千円札が2枚と千円札2枚だった。誰でも思うように,なぜ,今頃,こんなところで二千円札に遭遇するのかと疑問に思った。それから直ぐに,二千円札は持ちたくないなと思った。ババ抜きのババを掴んでしまった感じである。

2senen 少し考え,隣にあるMS銀行のATMに移り,その二千円札2枚を入金し,直ぐに四千円を引き出した。思惑通り,千円札4枚が出てきて,事なきを得た。

 ウィキペディアなどで調べたが,二千円札は細々と流通し,銀行は古い型のATMで二千円を出金することがあるようだった。

 六千円なのに二千円札が3枚でなく2枚だったところに細かい作為というか小細工を感じた。さらに,自行のカードではないときに二千円札を使うのかとも思った。


2010年1月21日 (木)

宝塚版『カサブランカ』

Casablanca 大空祐飛がリック,野々すみ花がイルザを演じる宝塚宙組公演『カサブランカ』を観た。1941年の北アフリカのカサブランカが舞台の三日間のドラマである。

 『カサブランカ』は,カルト映画なので,舞台劇を元にしている,撮影の最後までラストが決まらず,イングリッド・バーグマンは,二人のどちらと結ばれするのかわからなくて困った,カサブランカにロケはしていない全てハリウッドで撮ったなど映画にまつわる豊富なエピソードが発掘されている。

 日本で『カサブランカ』がどれほど知られているのかはよくわからない。第二次大戦下の当時の状況を説明しないと,このドラマは理解できない。そのために宝塚版『カサブランカ』はかなり苦労している。

 映画『カサブランカ』が名画として残っているのは,完成度が高いためではなく,大義と私事の葛藤,現在への過去の侵入,感傷,強欲,自己犠牲などがちりばめられて,奇跡的にバランスを保っているためであることが,宝塚版を観ていてよくわかった。映画は100分ほどの長さだが,これを1.5倍くらいの長さのミュージカルにすると,膨らませなければならない箇所が増えてしまう。たとえば,パリの追憶場面であるが,フレンチカンカンはよいにしても,よけいな反戦思想まで織り込まれている。また,映画では,ラズロがどのような人物なのかは,フランス国歌の場面だけで説明しているが,宝塚版は,ファシズムと戦うというメッセージがしつっこい。

 『カサブランカ』の欠陥があるとしたら,第一日目の晩に,カフェを訪ねてきたイルザに対しリックが恨みつらみを言う場面である。映画では,ニヒルなハンフリー・ボガートが小人物に見えてしまってがっかりする。誰でもイルザに同情するわけで,この話の主人公は,毅然としたイングリッド・バーグマンなのかとまで思ってしまう。宝塚版ではこの場面を残す必要はなかったと思われる。

 終幕が映画と同じような速さでばたばたと進行していくのは結構なことだ。スピーディなのは,このあたりの主要登場人物の心理を観客に詳しく詮索されたくないからである。よく考えると矛盾がある。けれども観ているほうは,意外な展開についていくのに精一杯で気にしない。宝塚版でも,二人が霧の中に肩を並べて歩いていってほしかった。

 リックは30歳代半ばという設定であるが,ハンフリー・ボガートは老けている。それに対して宝塚版の大空祐飛は若いし颯爽していている。リックはラズロより年下でないとおかしい。


2010年1月 7日 (木)

「ウィンドウズ7」その後

Windows7 勤め先から貸与されているノートパソコンがあり,このOSは,「ウィンドウズビスタ」だった。これにも「ウィンドウズ7」を入れることにした。

 慎重にスペースを空け,ウィルスチェックソフトを外して,「ウィンドウズ7」をアップグレードでインストールした。今回は,何も言ってくることなく,スムースに進んだ。全行程に2時間以上を費やした。しかし,アップグレードであれば,導入しているソフトがそのまま動くので助かる。例えば,「マイクロソフト オフィス」をもう一度インストールする必要はない。導入にかかる時間と手間が激減する。

 というわけで,普段使っているパソコン全てが「ウィンドウズ7」となった。「ウィンドウズ7」に対応したドライバがなくて使えないソフトウェアがあるといった不都合はあるものの,順調に動いている。

 起動時間は,短くなったような気がする。起動してからの読み込みで待たされるということはない。インターフェースでは,画面下のタブの利用法がかわった。これまで,いわゆるランチャーソフトを使っていたが,「ウィンドウズ7」では各ソフトのアイコンがタブに表示されるようになったので,不要になった。ただ,画面をたくさん開いたときの対応には戸惑う。

 要するに,慣れてしまえばどうということはない。時々,「ウィンドウズXP」や「ウィンドウズビスタ」の入っているパソコンを使うと遅いと感じることがある。

 これで,今後4,5年は,ほっておいても大丈夫なはずである。


2010年1月 1日 (金)

『100年予測』の20年後

 新年にあたり,宮内庁は天皇,皇后両陛下が昨年中に詠まれたお歌の何首かを発表した。その中に,「即位の頃をしのびて」として,

   父在さば如何におぼさむベルリンの壁崩されし後の世界を

というお歌がある。

 昭和天皇崩御は,1989年1月7日だった。ベルリンの壁崩壊は1989年11月9日である。ソ連が解体されたのは,1991年12月だった。なお,同じ頃,日本のいわゆる「バブル」経済が終わった。昭和天皇崩御に前後して,国内では,不況がはじまり,国外では冷戦が終わったが,昭和天皇は,その後の世界をご覧になることはなかった。

 この二十年間をどうまとめるのか,なかなか難しいことである。また,二十年前にはたして,米国とイスラム国との対立,中国の成長,環境問題への関心,金融工学の破綻など現在の有様を予想することができただろうか。

100nen 話題のジョージ・フリードマン『100年予測 世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図』(桜井祐子訳,早川書房,2009)は,米国の民間シンクタンクの経営者が今後100年間を地政学的に予測したものである。

 要約が各章末にあるので,それを列挙すると次のようになる。

・アメリカの支配はまだ始まったばかりであり,21世紀はアメリカの時代になる。
・もっとも重要な点は,アメリカが世界の海洋を支配しているということ。
・アメリカはまだ若い国家であり,そのため本当の姿を知るのは難しいが,実は驚くほど強力だ。
・20年前のソ連崩壊により,冷戦時代は動きを抑えられていたイスラム地域が急激に不安定になった。
・アメリカの基本戦略を知れば,対テロ戦争がどのような結果に終わろうと,イスラム世界が混迷さえしていれば,アメリカは勝ったといえる。
・人口爆発は終焉し,世界の人口構造は大きく変化する。
・人口の減少は,人々の生き方や国家の行動にも影響を及ぼす。
・アメリカでは人口減少やコンピュータなどが新しい社会を形作り,それは今後世界中に否応なしに広まる
・次の紛争の火種になりそうな場所は,東アジア(中国,日本),旧ソ連圏,ヨーロッパ,イスラム世界(特にトルコ),メキシコである。
・2020年という文脈では,中国とロシアが最重要となる。
・大方の予想に反して,中国が世界的国家となることはない。
・中国のもっともありそうなシナリオは,日本をはじめとする強国が中国に経済進出を活発化させるうちに,中央政府が力を失い,分裂するというもの。
・資源輸出国として生まれ変わったロシアは,コーカサス,中央アジア,ヨーロッパ方面に勢力を強める。
・ロシアの動きにアメリカが対応し,ふたたび冷戦が起こる。今回の冷戦は前回と比べれば小規模だが,前回と同様,ロシアの自壊で幕を閉じるだろう。
・2020年代のロシアの崩壊と中国の分裂が,ユーラシア大陸に真空地帯を生み出す。・その機会を利用して,勢力を伸ばしていくのが,アメリカと同盟を組んだ,日本,トルコ,ポーランドである。
・しかし,三カ国が勢力を伸ばすにつれ,アメリカは不安を感じるようになる。

 アメリカについての強い自信,EUについての無関心,中国の低評価に対して,日本に関しては,「社会不安を起こさずにこれ(低成長の受容)を断行できるだけの,政治的,社会的規律があ」り,この点が,他の国々と違うとえらく評価している。


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