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2009年8月 5日 (水)

『HACHI 約束の犬』という日本を相手にした商売

 映画館ではずいぶん前から『HACHI 約束の犬』(Hachiko: A Dog's Story,2009)の予告編を上映していた。米国版「ハチ公物語」であり,リチャード・ギアがかかわっていること,話の筋書きはよくわかったが,釈然としないものを感じた。

 リチャード・ギアは,黒澤明監督の『八月の狂詩曲(ラプソディー)』(ここから「ハチ」がきたのか)に出演し,周防正行監督の『Shall We ダンス?』の米国版再映画化作品に主演した「親日家」とされている。キャンペーンでの来日時に,「「僕は世界でも日本が一番好きな国なんだ」と言ったらしい。

 しかし,リチャード・ギアは,この作品のプロデューサーでもあり,この映画は,米国ではまだ公開予定がなく,日本が最初の劇場公開ということになると,センチメンタルな日本人をターゲットにした商売ではないかと勘ぐりたくもなる。

 試写会に暇をもてあます東宮一家まで動員した手腕は,なかなかのものである。もちろん,アニメでも高度に入り組んだ話になっているはずのラセター,ピクサー,ディズニーの『ボルト』は観たいが,この映画は,公開されても観る気は全くない。お盆には,「号泣」したがる家族連れが押しかけるのだろう。

 これまで,日本は「米国の忠実な番犬」と揶揄されてきたことを考え併せるなら,この作品を,今,米国で映画化しようとしたことや「約束の犬」という邦題は,悪い冗談のように思える。

 一番驚いたのはこの映画の監督がラッセ・ハルストレムであることだった。何故,こんな映画を引き受けたのだろう。この分では,スティーヴン・ダルドリー監督が「一杯のかけそば」を演出する日も近い。


2009年8月 4日 (火)

ラグビーワールドカップの日本開催は大丈夫か

 南半球は冬で,ラグビーの三か国対抗が行われている。1996年から2008年まで,オーストラリアと南アフリカの優勝は各2回であるが,ニュージーランド代表オールブラックスは9回優勝し,4連覇中である。


 ところが今年は,負傷者の多いこともあるが,オールブラックスは不調である。初戦では何とかオーストラリアに勝ったものの,2,3試合目のオールブラックス対南アフリカ戦では,19-2819-31で負けた。


Mccaw  第三試合は,ホスト国の国歌が先になるというハプニングがあり,審判の判断にもいくつかオールブラックス側に厳しすぎるなど気になるところがあったにせよ,ラインアウトで劣勢であることは明らかで,南アフリカにつけ込まれていた。しかし,リッチー・マコーが出ているのはうれしい。


 ついでに言うならば,中継するJスポーツのアナウンサーと解説者の一人が,ことさらにオールブラックスの不手際を強調する発言を繰り返していたのも不快だった。南アフリカの防御を褒めそやしていたが,オールブラックスが巧妙に突破していく場面はいくつもあった。


 さて,2019年にラグビーのワールドカップが日本で開催されることになった。あまりに先の話で,その頃の日本がどうなっているのかもわからない。けれども,楽しみに待つという気分にはならない。


まず,日本代表は弱い。サッカーに比べて,ラグビーが盛んな国は圧倒的に少ないが,それでも日本代表は十強には届かず,14位程度である。人口が多くはないサモアやフィジーが日本より上位にいる。ワールドカップでは,予選リーグ突破はほぼ不可能な実力で,強化して差を縮めるのは無理だろう。地元の有利さはあるが,実力差を埋めることはできない。


 第二に,競技場と観客動員に無理がある。三か国対抗や,イギリスやフランスの六か国対抗の試合を観ていて驚くのは,専用競技場があり,中には5万人以上を収容する競技場もあり,それらがいつも満員であることだ。日本ではとても望めない。


 第三に,国内向けテレビ放送やアナウンサーが気になる。国内のキー局はNHK以外は,ほとんどラグビー中継をしていない。サッカー中継もそうだが,ラグビー中継の技術(たとえば,接近映像と俯瞰映像の使い分け)は経験が必要であるし,外国選手の知識のあるアナウンサーは少なく,信頼できる解説者は三人しかしない。


 さらに,日本ラグビー協会自体も大丈夫かと思う。

 十年も時間があるからどうにかなるというものでもないだろう。


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