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2009年1月12日 (月)

建物のライトアップをやめよう

 建物のライトアップが嫌いだが,結構大勢ライトアップ嫌いがいることを知って心強い。

 なぜ嫌いかと問われても答えにくいが,何も夜にわざわざ照らさなくてもよかろうという以外にはない。夜は暗くていい,昼間見ればよいものをなぜ照らさなければならないのか。不自然ではないか。美しくもない東京タワーをなぜ夜にも見なければないのか。暗いなかで身を潜めている謙虚さはないのか。

 自治体が名物建造物をライトアップして観光客を引き寄せようとするのはわからなくはないし,イベント好きの観光客もいるだろうから賑わうこともあるだろう。しかし,昼間観てこその名建築ではないのか。

 ライトアップが専門の石井幹子氏の『新・陰翳礼賛』(祥伝社,2008)には,「東京タワーはよくパリのエッフェル塔と比べられ,建築的にもよい評価を受けていなかった」ので,「昼よりも夜が美しい」と言われるように証明デザインを考えたとのことである。

 石井氏は,フィンランドやドイツで照明デザイン学び,仕事をし,日本でライトアップのhとんどのプロジェクトに携わってきた。書名には「陰翳礼賛」ということばが使われているが,これは編集者が考えたもののようで,谷崎潤一郎『陰翳礼賛』の存在についてはフランス人から教わったそうである。「陰翳礼賛」にはあまり関心をおもちでないようだが,なぜライトアップするのか,どのような考えでライトアップをしているのかは,この本ではほとんどわからない。ぽつっと「光はあびるもの」という言葉が出てくる。

Yoruha

 10年前に出た乾正雄『夜は暗くてはいけないか:暗さの文化論』(朝日新聞社,1998)を初めて読んだ。ブリューゲルの『雪中の狩人たち』で欧州の冬空の暗さを指摘することから始まり,『陰翳礼賛』に言及した後で,文明開化以後,日本人は暗さの価値がわからなくなったと指摘する。

 ここまでが序論で,この後は,緯度の大きく違うロンドン(欧州)と東京(日本)の日照時間の違いから生じる生活の違いまでを明らかにする。目までが違っているのだ。漠然と感じていたことの原因がどこにあるのかを的確に指摘していく。

 もちろん乾氏は,ライトアップはやたらとやるべきではない派である。夜に建物が黒々と見えるのが自然であり,観光客にもそれを見せるべきである,そばから眺めるしかない日本建築を照らしてもバランスがよくない,さらに駅前広場や繁華街のライトアップには安っぽさがつきまとう,といった理由はよくわかる。

 東京タワーのライトアップだけでなく,エッフェル塔の照明もどうかと思う。


2009年1月10日 (土)

東京都立中央図書館の「リニューアルオープン」

 東京都立中央図書館の改装が終わり,1月4日から開館し,「東京都立中央図書館リニューアルオープン記念企画展~都立図書館100年の歩み~」を開催するというので,出かけた。雨の中を広尾橋から有栖川公園を抜けて登っていったが,この図書館に行くのは久しぶりのことである。Toritsu


 入館する時に入館証を受け取り,ロッカーに荷物やコートをしまう。展覧会の行われている4階に行った。最初に「図書館資料の魅力~古地図に見る,「未知の国・日本」」と題して。15世紀から18世紀までに欧州で作られた日本の地図が展示されている。地図は所蔵資料ではなく,複製である。次に「東京の交通今昔」として,都電の絵はがきや,京王電車の案内などがある。さらに,ビジネス情報サービス」,「法律情報サービス」などに関連する資料が少しずつあった。そして最後に期待していた都立図書館の資料があったが,展示スペースも小さく,展示資料もほんのわずかだった。


 何だか焦点の定まらない,意図不明の薄手の展覧会であった。そこここに予算不足と企画力不足を感じた。


 閲覧システムが新しくなったので,雑誌記事を借りて複写してみることにした。1階に,パソコンが並んでいて,そこで蔵書目録を検索する。見つかったら,請求票を印刷する。この時に,入館証に付いているバーコードの識別番号をバーコードリーダーで読ませるという難しい作業が必要だった。


 国立国会図書館のように,貸出請求がオンラインで書庫にいくものとばかり思っていたが。そうではないことに気付いた。出納カウンターに,印刷した請求票を提出しなければならない。カウンターは小さく,四人ほど係員がいる。誰もが慣れないらしくて,見るからに無駄な動作が多い。資料は10分ほどで出てきた。さて,コピーをするのだが,パソコンでIDを入れ,借りた使用に貼付されたバーコードを読ませると,資料名の入った複写申込み票を印刷できる。これを複写カウンターに持っていく。


 国立国会図書館と違って,コイン式複写機で自分でコピーできる。複写の係員は一人で,外国新聞の1ページをコピーしたいという客に対応している。客は自分でコピーしたいと言うが,係員は,新聞は複写係がコピーするきまりになっていると言う。客は急いでいると言うので,係員は,複写室に見に行き,今,混んでいるので30分ほどかかるという。客は,何とかして欲しいと言うので,また,窓口係員は複写室に行くが,直ぐ戻ってきて無理だという。こんなことを7,8分繰り返していた。


 自分でコピーして,資料を返却した。相変わらず,カウンターは混乱しているようだった。

 データベースやインターネットを使うことのできるパソコンは,10台以上あり,新聞データベース等の他,医中誌webJ-DreamIIも利用できる。インターネット用パソコンは,都立中央図書館のトップページが表示され,ブラウザーからURL入力はできないように設定されているので,戸惑ったが,ブックマークにgoogleなどが登録されていた。なお,案内係は大勢いて,歩き回っている。


 カウンターの係員の対応を含めて,どうしてこのようなことになっているのかその原因は,大体,想像できる。初期不良ですめばいいのだけれど。


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