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2007年11月23日 (金)

『MICHELIN GUIDE 東京 2008』はどれほど売れるのか

 ジェームズ・ボンドシリーズの初期の翻訳か映画の字幕でMichelinを「ミケリン」と訳していたと書いていたのは,確か伊丹十三だったと思う。当時,フランスのタイヤメーカーの名を知っていたのは僅かな人たちであったし,訳者が英語の単語だと思ってしまうのは無理もないことだった。

 すぐに「ミシュラン」(タイヤ)は定着し,ミシュランの旅行ガイド,レストランガイドの存在もよく知られるようになった。日本の店はミシュランレストランガイドの対象にはならなかったので,山本益博『東京・味のグランプリ200』(1982年),あるいは山本益博,見田盛夫『グルマン』(1983)が刊行された。西原理恵子,神足裕司『いちどは行きたい恨ミシュラン』(1993)というのもあった。

Michelin  そして,ようやく本日(2007年11月22日),『MICHELIN GUIDE 東京 2008』の刊行となった。昨晩,TBSは,『NEWS23』で,「レストランひらまつ」を,フジテレビは『ニュースJAPAN』で「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」を取り上げた。それぞれの番組の関係者は,これらのレストランは確実に星を二つか三つ取るものと考えたわけである。前から取材していてシェフは自信があったようだが,星の発表日,両方とも星は一つで,傍目にもがっかりしているのがよくわかった。

 このように事前の予想とは大分違った結果となった。もちろん,「ロオジェ」のように前から人気が高く三つ星を獲得したフレンチレストランもある。一方,「レストランひらまつ」と「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」が,今後,星を二つか三つ取るのは,方針を大きく変えない限り難しいように思える。

 10席もない鮨店,一見さんはお断りではないかと思われる料亭を三つ星にしてどうするといったことはあるが,このミシュランガイド東京は,おそらく広く受け入れられるだろう。上位ランクの店は,必ずやってくるだろう非常識な客を制する自信があるに違いない。

 これまでも個人やグループによるレストランランキングはあったし,アスクユーレストランガイドのような,「集合知」によるランキングもある。

 店を好むかどうかは,個人の好みや相性,第一印象など様々な要因で決まるわけで,こうしたランキングと個々人の好みは違うのは当然である。けれでも,どのような旨い店があるのかを一定の基準で示したガイドがあれば,それは,様々な使い道がある。

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2007年11月19日 (月)

「スポーツニュースは『オヤジ』である」

 昨晩(2007年11月17日),フジテレビのドラマ『SP』を観ていたら,テロリストが病院を占拠し,一箇所に集めた職員,患者達を二人ひと組にし,お互いの持つ携帯電話を取りあげさせていた。「(携帯電話を)本当に持っていないんです」と言う年配の女性がいた。同情した。
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 日本放送出版協会(表紙には「NHK出版」とある)の「生活人新書」は2001年11月創刊であるが,書店では並んでいるのをなかなか見ることのできない地味な新書である。

Soprtsnews  この森田浩之『スポーツニュースは恐い 刷り込まれる〈日本人〉』(日本放送出版協会,2009.206p.)の入手にも手こずった。

 「スポーツニュースは『オヤジ』である」という斎藤美奈子氏のような見立てから始まる。テレビや新聞のスポーツニュースに気を許してはいけない。スポーツニュースは我々にいろいろなことを教えこませようとしている。

 日本の職場に必ずいそうな中間管理職だあり,生活保守的で少し小心,気配りはあるが,暑苦しい人生訓や日本人の国民性を語り始める。

 まず,女性に理解があるつもりであるが,外に出て仕事(スポーツ)をすることを本当は認めていない。いつでも無意識のセクハラを行い,女子選手は気安く「ちゃん」づけし,「女性らしい一面」という言葉を付け加えたがる。出産すると「ママさん選手」と呼びたがる。女性がスポーツを続けることができるのは周囲の理解があるからだと言う。女子サッカーの日本代表を「なでしこジャパン」と呼んで不思議とも思わない。スポーツニュースは,心のどこかでスポーツを男だけのものとしたがっている。

 スポーツニュースはスポーツよりも「人」のことを伝えようとしている。年長者への気配りを欠かさず,最年長記録が意義があると思っている。ニュースを物語として語りたがる。努力と謙虚さが大事とされている。

 スポーツニュースは,我々に自分を日本人と思わせる仕事,「国をつくる」という大きなプロジェクトを進めている。「やっぱり日本人は日本がいちばん」と考え,外国でも日本食を確保することが重要な課題であるとみなし,組織力が日本の強みで,日本人には「高い身体能力」はなく,決定力不足であると繰り返す。

 著者はフリーのジャーナリストであるが,ロンドン大学の大学院で学んだ談話分析を用いてメディアの言説を暴いていて,まことにごもっともと言うしかない。

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