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2007年10月29日 (月)

『朧の森に棲む鬼』

Oboro  ゲキシネ版『朧の森に棲む鬼』(2007,江戸洋史,いのうえひでのり)は,劇団新感線と松竹の今年1月の新橋演舞場での舞台を15台のデジタルカメラで撮って映画にしている。料金は2500円であるが,SUIKAがあれば割引料金となる。

 三時間近い長さであるが,少しも退屈しない。中島かずきの原作が面白いからである。「lord of the lie」という別名のついたこの作品は,日本とも中国ともつかぬ国を舞台とした嘘つき男ライ(市川染五郎)の物語である。魔女によって運命を定められたライは,舌先三寸と悪巧みによって,のし上がっていく。意外な展開がいくつもあり,伏線も有効に働き,徹底した悪の残忍さと爽快感を味あわせてくれる。

 音は大きいが,ロックミュージカルではない。むしろ,日本映画にはめずらしく,台詞が聞き取りやすいのもよい。劇団新感線の芝居は何回かみたが明らかにギャグで笑わせるよりも台詞でうならせる方向に行っている。登場人物は,与えられた役割をそれぞれの個性で強化し,誰が主役ともわからなくなる。もちろん市川染五郎の奮闘ぶりは素晴らしいが,劇団新感線の古田新太は,脇役のように見えてもじわじわと存在感を増し,後半の阿部サダヲも鬼の一人となる。

 舞台と映画では随分違うのだろうが,この映画だけで,すごいものを観てしまったという気分である。中島かずきはシェイクスピアではないか。

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2007年10月13日 (土)

『モップガール』は『トゥルー・コーリング』

Kitagawa  2年前の2005年6月,レンタルビデオ屋で宣伝中のテレビドラマ『TRU CALLING トゥルー・コーリング』を借りた。

 若い主人公トゥルー(エリザ・ドゥシュク)が13歳だった時に母親は,目の前で死んでしまった。父親は姿を見せない。問題を抱えた姉と弟がいる。

 大学を卒業した翌日,市の病院で働く予定だったが,行ってみると,死体安置所の仕事を紹介された。

 その日,姉も弟もコカインや薬物でひどい状態になっていた。そして,死体安置所に首にピストルの弾の傷のある女が運び込まれてきた。

 トゥルーは一人で宿直を命じられたが,夜中に「助けて」という声を聞く。死体のケースを見ていくと,先ほどの女に行き当たり,手を捕まれる。

 そしてトゥルーは,その日の朝に戻る。つまり既に過ぎ去った一日がまた,繰り返されていた。もう一度,やり直しができる。周囲の誰もそのことは知らない。トゥルーは,弟や姉を救い,運ばれて来た女性を探し出し,殺されないようにする。

 これが第一話だった。

 さて,2007年10月に始まったテレビ朝日のテレビドラマ,北川景子主演の『モップガール』の第一回を見終わって唖然とした。

 『モップガール』は,『TRU CALLING トゥルー・コーリング』だった。

 だからどうというわけではない。『モップガール』の設定のほうが苦しいが,それなりのエピソードを見せてくれるのだろうね。

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