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2007年9月28日 (金)

驚いたカナダ戦(ラグビー)

Taira  日本の今回のワールドカップの最終戦は,世界ランキングが13位で,日本の18位からは手の届きそうなカナダが対戦相手であった。事前には,このカナダと先日惜敗したフィジーに勝って二勝する「予定」だった。しかし。ワールドカップであり。相手も勝ち点を得るためにグループで最も弱い日本に最強メンバーをぶつけてきて必ず勝とうとするわけであるから,日本側の勝手な計算が成り立つわけもない。

 前半は遠藤選手がカナダ選手をはねとばしてトライをあげて5-0で終了した。けれども徐々にカナダのゴール前での攻撃時間が増え,耐えきれずに同点とされ,さらにはもう一つトライをとられ5-12となって,終了時間が迫った。

カナダのゴール前でスタンドオフのキックでゴール内に殺到したが,ボールはゴールの外に出た。カナダの選手と日本選手が入り乱れてゴール外の看板にぶつかった。そして,誰が最後にボールに触ったかが確認され,カナダ選手だった。

もう80分は過ぎていたが,カナダのゴール前の日本側ボールで試合は再開された。この後,日本代表は執拗に左右にボールを散らして攻撃,最後に,交替して何度か鋭い突破を見せていた平選手が,ゴールに飛び込んで文句のないトライをあげた。

 ウェールズ戦の日本代表が五人でつなぎ,最後に遠藤選手があげたトライは,このワールドカップのベストトライの一つとされているが,この平選手のトライもまた素晴らしいトライであろう。ミスをすれば試合が終わってしまうという緊張感の中で,日本代表の各選手は,ボールを生かし続け,徐々にカナダ選手を圧迫し,最後に平選手のトライを生んだのである。理詰めとも言える。

 もちろん,難しい位置から,ゴールを決めた満身創痍の急造キッカーの大西選手も,これまでの日本代表選手らしからぬ逞しさを感じた。

 いつもは,Jsportsで観戦するのであるが,この試合は日本テレビで見ていた。日本テレビは,中継といいながら,時間をずらして放送しているのは知っていた。オーストラリア戦で出現したストーカーは日本テレビでは映らなかったようである。

 日本テレビでは,日本とカナダの数名の選手がカナダゴール隅に殺到して看板にぶつかった場面のすぐ後に,大西選手のキックの場面となった。一番の見物だったゴール前の攻撃から平選手のトライの場面をカットしてしまったのである。もちろん故意ではないが,試合時間が延び,放送時間の終わりが迫ってしまったので,逆上した日本テレビの中継担当者がこのような暴挙をなしたのだろう。

 ラグビーの中継はJsportsが圧倒的に優れている。アナウンサーも解説者も十分に経験があり情報量も多い。対戦相手の国の選手の名を言えないナウンサーや解説者は無用である。

 他のスポーツでも,ライブと言いながら時間差のある中継をしている例がある。視聴者を著しく裏切るけしからぬ行為である。それを問題とは思わぬテレビ局の人間の傲慢さが,今回のような中継自体を台無しにするみじめな結果を招いたと言える。

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2007年9月14日 (金)

Fiji_2  フランス開催のラグビーワールドカップの日本の第二戦は,フィジー戦だった。フィジーは国際ラグビーボードのランキングは12位で,18位の日本がなんとかてに届く範囲である。現地の賭け屋などでフィジーが20点差以上で勝つという予想だった。

 第一戦のオーストラリアには,日本は,二軍中心で戦い,予想通り3-91と大敗したが,日本代表はオーストリア戦を避け温存しておいた主力でフィジーと戦った。

 試合の経過はサンケイスポーツ紙「日本、フィジーに31-35で惜敗 決勝T進出厳しくなる」では次の通りである。

 フィジーのキックオフで試合開始。日本の6-3で迎えた前半36分,フィジーFLンゲラが日本ボールのスクラムのこぼれ球を奪い,約50メートルを走り10-6と逆転。前半終了間際に,大西がPGを決め,9-10で前半を終了。後半も一進一退。19-25の後半21分,日本はラインアウトからモールを押し込み1点差に迫る。さらに,11点を追う同37分にLOトンプソンが,この日2本目のトライで31-35に詰め寄った。ロスタイムに入ってから5分以上の猛攻を続けたが,追いつけなかった。

 今回の日本代表については,あまり応援する気はなくて,冷たい態度で観ていた。かなりの点差で負けるだろうと思っていた。

 しかし,日本代表は,かなりよかった。点を取られはしたものの防御は堅かった。予想以上に攻め込む場面が多く,得点も競り合いとなった。本職とは言えない大西選手のペナルティキックもほぼ決まっていた。

 そして,フィジー35-31日本のまま,80分が過ぎ,あとひとプレイとなって,日本は自陣から攻めていった。ラグビーでは,とても考えられない5分間にわたり,十数回もラック,モールを繰り返し,フィジー陣に迫った。

 けれども,フィジーの防御も崩れることなく,あとわずか及ばずノーサイドとなった。この間,トゥールーズの試合会場の観客であるフランス人たちは「ジャポン,ジャッン」と立ち上がって叫び続けた。

 終了の笛と同時に,両チームの選手達は,その場に倒れ込んだ。文字通り,力を出し尽くした試合となった。

 次回のワールドカップ出場などを考えると勝たなければならない試合ではあったが,ワールドカップの本番で,こうした力を出し切った試合ができれば十分であろう。ラグビーでもサッカーでも代表がよい試合をすることはまれなのだから。

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2007年9月 9日 (日)

ラグビーWC開幕戦でアルゼンチンが番狂わせ

Argentinna  フランスでラグビーワールドカップが始まった。開幕戦はパリ郊外のサンドニの球技場で行われた地元フランス対アルゼンチンである。

 アルゼンチンは,三回続けての開幕戦出場であるが,この組み合わせは早くから決まっていたらしい。その時には,アルゼンチンの評価は低かったが,ワールドカップ直前には,これまでで最強と言われるようになった。

 世界ランキング3位のフランスに対しアルゼンチンは6位であるし,フランスはホームであるから,フランスは苦しんでも最後には勝つだろうと思われていた。

 開幕試合は,アルゼンチンの健闘が讃えられる素晴らしい試合となった。アルゼンチンは,前半,ペナルティキックで先制点をとり,その後,相手のパスをカットしてトライに結び付け,後半も凌いで17-12で勝った。

 アルゼンチンの選手達は,フランスの選手の足下に文字通り突き刺さるようなタックルを繰り返し,フランスはほとんど前進できない。突破されても,全速力で自陣に戻るので,棒業にほころびが生じない。フランスのフルバックに弱点があるので,執拗にハイパントをあげて脅かし,時には,ゴロパントで変化を付ける。

 終わってみれば,アルゼンチンの危なげない勝利だった。

 会場の8万人のほとんどはフランスを応援していたわけであるが,ウェーブをする余裕さえも与えられなかったとのことである。

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2007年9月 6日 (木)

『俳風三麗花』対『玻璃の天』

Haifu  三田完『俳風三麗花』(文藝春秋,2007,324p.)は,直木賞の候補作だった。

 五篇の短編からなる連作で,昭和7年から9年にかけて,日暮里道灌山に住む文理科大学教授で俳人の暮愁の家ひと月に一回開催される句会とそのメンバーである三人の娘すなわち「三麗花」を主人公としている。大学教授だった父をなくしたばかりの阿藤ちゑ,両親を亡くし叔母の世話を受けて女子医専に学ぶ池内壽子,それに浅草芸者の松太郎である。

 俳句に関しては,まず句会がどのように進行するのかが語られていく。この小説に驚かされるのは,句会に参加する七人の句を全部作ってしまっていることである。その上,順位付けし,批評を加えてもいる。句作によほどの自信がなければできることではない。

 それに,「端居」,「守宮」という題を与えられたちゑが亡き父の思い出を読み込もうと推敲する過程もあり,また,暮愁の近代俳句と江戸時代の俳味を醸す句との違いまで作例で解説する。

 しかし,句会は背景の一つであり,個々の短編では,ちゑ,壽子,松太郎が交互に主人公となって語られる小さな事件と淡い恋物語が本筋である。そして大きな背景としては,戦前のよい時代の最後と言われている昭和7,8年頃の風俗がある。女性の詐欺師,同性愛,大学での文芸活動,屋形船,歌舞伎など多彩である。

 個々の短編の味わいは様々であるが,この時代の雰囲気にることができる。

 北村薫『玻璃の天』(文藝春秋,2007,225p.)も同じ回の直木賞候補作で,時代は同じく昭和8年,主人公は女子学習院に通う女学生であった。こちらは,政治的な圧迫感が強く,またミステリであるので,極めて複雑な謎解きがある。それに作者の趣味が強く出ている。

 どちらをとるかと言えば明らかである。

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2007年9月 3日 (月)

ラグビー日本代表の悲しい胸算用

Rugby2007  サッカーと同じくラグビーも4年ごとにワールドカップを開催していて,今年はその開催年で第6回となる。2007年9月7日から10月20日決勝という日程で,フランスで開催される。

 出場は20か国で,日本は,IRB(国際ラグビー・ボード)の2007年8月27日現在の順位では18位で,B組に属し,オーストラリア(2位),フィジー(12位),ウェールズ(8位),カナダ(13位)の順に対戦する。

 日本は,これまでの全てのワールドカップに出場してきたが,ジンバブエに一勝しただけである。

 さて,日本ラグビー協会の選んできたここ20年あまりのこ監督のほとんどは,期待に応えることがなかった。しかし,今度は,元ニュージーランド代表で,イタリア代表監督を務めたことのあるジョン・カーワン氏を選んだ。

 ジョン・カーワン氏は監督でなくヘッドコーチなのだが,代表選手を選んで,鍛えてきた。カーワンコーチに期待されているのは,今回のワールドカップで2勝することである。

 フィジー戦とウェールズ戦の間は8日も空いているのに,オーストラリア戦とフィジー戦の間は4日,ウェールズ戦とカナダ戦の間は5日しかない。体力を消耗するラグビーでは4日の間隔は辛い。こういう日程になるのは,日本が弱小国だからである。

 そこで,日本代表を二つに分けることにした。強い組と弱い組である。オーストラリアとウェールズには弱い組が対戦する。強い組はフィジーとカナダと対戦,2勝をあげることが期待されている。

 そううまくいくだろうか。オーストラリアはベストメンバーで日本と対戦するらしい。オーストラリアは,先頃の三か国対抗では,ニュージーランドを破っている。老練,芸術的と言うしかないスクラムハーフのグレーガン選手とスタンドオフのラーカム選手,どこまでも球を追いかけ,オールブラックス戦では独走トライを奪ったモートロック主将,それに劣らぬセンターのギタウ選手がみな出てくるとなると何点取られるのかわからない。
 目的達成のわずかな可能性に賭けて,半数玉砕という戦法はわからぬではないが,何か違っているように思える。

 そして,カーワン氏は必ずしも強運の持ち主ではないらしい。日本が点を取れるのは,正確なキックパスをウィングが受けて走り込むという形とペナルティキックであろうが,そのためには優れたスタンドオフが必要である。

 代表候補の段階では,ジェームス・アレジ選手(NTTドコモ関西),小野晃征選手(福岡サニックス),安藤栄次選手(NEC),それに廣瀬俊朗選手(東芝)だった。ところが,早い段階でアレジ選手は骨折で間に合わず,代表のスタンドオフとして登録されていたのは,小野,安藤の二人だった。そして先月末の練習試合で安藤選手が負傷してしまった。スタンドオフが足りなくなったが,何故か廣瀬選手ではなく,別の選手が急遽招集された。同じ時に負傷した大畑選手の代理は,代表候補お中から選ばれているのに。

 こうしたことがあったので,またしても今回の日本代表には,期待感が薄まってしまっている。

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