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2007年6月27日 (水)

『プロポーズ大作戦』最終回の納得

Operationlove_1  録画を観ることになるはずの『プロポーズ大作戦』をじかに観ることができた。

 まず,山下智久は長澤まさみを小学校に連れて行く。そして,結婚式当日に戻り,自分のスピーチの時に,切々と長澤まさみに訴える。これまで長い間,できなかった真情の吐露をこうして実現することになる。

 なるほど,このドラマの作者は,披露宴のスピーチでの告白をクライマックスとしたかったのかと思った。どのような披露宴でも,このような往生際の悪い男(女でもよいが)が,最後の機会とばかり,自分との仲を訴えたら,座は白け,全体として悲惨なことになるだろう。してはならないことなのである。

 しかし,これまでの長い間の報いられない努力をみてきた視聴者は,山下智久に対して,「頑張れ」と応援する気持ちを抱いているのだ。むしろ,この場を選んだ勇気をほめる雰囲気であり,異常なことをしているとは少しも思わなくなっている。このドラマ全体を背負った山下智久のスピーチは,また,とても感動的だった。こうなると,長澤まさみが「その思いに私は応えてこなかった」と思うようになるのに必然性があるように思えてくる。

 『プロポーズ大作戦』の最後が映画『卒業』に似てくるのはやむを得ないことであろう。『卒業』の終わりの場面では,バスの最後部の座席に,ダスティン・ホフマンとキャサリン・ロスが並んでいる。『プロポーズ大作戦』では,タクシーの後部座席に山下智久が一人で乗っている。

 『迷い婚』という映画があったおかげで,封切り当時に観ただけの『卒業』を先日,もう一度観た。音楽だけが心に残る,愚かしい作品だった。キャサリン・ロスがダスティン・ホフマンに付いていくのは明らかに不自然である。自分勝手なダスティン・ホフマンには腹が立った。バスの中でのキャサリン・ロスには自分の行為を悔いている表情があった。

 『卒業』は,結婚式からの(相手が応じてくれればの話だが)強奪ということもありうることに気付かせたという点で,その後に影響力があった。まさか,山下智久のようなスピーチをする輩は出てこないだろう。

 ともあれ,『プロポーズ大作戦』の結末は,予想通りで,平穏すぎるのであるが,後味はよかった。

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2007年6月13日 (水)

『プロポーズ大作戦』にはハラハラさせられてきたが..

Operationlove  フジテレビのドラマ『プロポーズ大作戦』は,まもなく終わる。この脚本の金子茂樹には感心した。発想がユニークであり,また,展開も台詞もよい。もちろん感心しているのは,脚本家だけではない。輝くような笑顔が自然な長澤まさみはかわいく,詮ない努力を重ねる山下智久のひたむきさがいじらしい。

 この『プロポーズ大作戦』は時間遡行を繰り返すSFドラマである。舞台は,長澤まさみの結婚パーティであり,今,スライドショーが行われている。ウェディングドレスを着た長澤まさみの結婚相手は,高校の時に教育実習に来て知り合った大学講師である。長澤まさみが小学校三年の時に転校してきて,無くして困っていた消しゴムを,山下智久は貸してやった。その時以来の幼なじみである。二人は中学,高校,大学と榮倉奈々ら他の三人の仲間と過ごしてきた。

 山下智久は,長澤まさみがずっと好きで,今でもあきらめられない。過去に戻ってやり直したい。その時,妖精男が現れて,やり直しができるようにしてくれる。スライドショーで映し出されている場面の前の時間に戻り,山下智久は,長澤まさみに想いをうちあけようとする。うまくいかないが,それでも少しだけ成功する。現在に戻ってくると,スライドの写真が少しだけ変わっている。

 実に巧みな趣向であると思う。毎回,同じことの繰り返しであるが,観る者は誰もがすっかり「けんぞう」の気持ちになって,はらはらすることになる。全体としては,彼らが過ごしてきた,つまり今の普通の若者たちの青春を背景とし,親しすぎるために,恥ずかしさやてらい,ためらいなどの感情が渦巻き,お互いに自分の気持ちを正直には言えず,どうにもならないという普遍的な状況を作り出している。

 過去に戻って,過去を変えようとしても,そんなに大きく変えることはできないというのは,多分そうだろうと納得できる話である。けれども,少しずつは変えることができる。それが,積もれば,榮倉奈々と平岡祐太の仲のようになるとも言っている。

 『プロポーズ大作戦』は,視聴者のささやかな期待を毎回裏切りながら進んできたが,最後までそれが続くのだろうか。

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