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2005年12月16日 (金)

OCLCの情報入手行動調査

 今,世界中の人々が,情報を得るためにどのような手段を使っているのか,図書館をどう思っているのかを調べた調査結果が発表されています

 米国で図書館向けのサービスを行っているOCLCが,2005年6月に行った;「図書館と情報資源の認識(2005)」(Perceptions of Libraries and Information Resources (2005) )と題する調査の結果がそれです。

 これは,オーストラリア,カナダ,インド,シンガポール,英国,米国の「情報の消費者」(information consumer)3,300人を対象とした調査の結果です。

 結果の一部はつぎのようなものです。

■回答者の84%は情報探索を始める時にサーチエンジンを使っていた。図書館のウェブサイトを使うのは1%であった。

■情報の質と量は,情報探索における満足度を決定する最大要因である。サーチエンジンは,この点で図書館員より高くランクされている。

■情報の消費者のほとんどが電子情報源を評価するために用いる指標は,その情報の「価値」である。次は,無料であること,速さはそれほどでもない。

■回答者は,無料の情報より有料の情報を信じているわけではない。無料の情報への強い期待を述べるコメントがあった。

■図書館利用者はセルフサービスを好んでいる。回答者の多くは図書館の資料を使うとき援助を求めない。

 しかし,興味深かったのは,附録Aの電子メール,サーチエンジン,インスタントメッセージ,オンライン書店,オンラインニュース,メールマガジン,トピック型ウェブサイト,電子ジャーナル,図書館ウェブサイト,ブログ,オンラインデータベース,専門家への相談,オーディオブック,電子書籍,オンラインレファレンス,RSSについて,どれほど馴染みがあるかを集計した結果です。要するにこの順番ですが,例えば,インスタントメッセージの普及ぶり(といっても若い層中心ですが)に驚きました。

 もう一つは図書館についてまず何を思い浮かべるか,図書館の目的,長所,弱点,図書館への助言について回答者のコメントを列挙した附録Bです。これを眺めているといろいろ考えさせられます。

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2005年12月10日 (土)

 『このミステリーがすごい!2006年版』

konomisu 『このミステリーがすごい!2006年版』(宝島社)が発売になりました。たまたま東京堂書店に行ったので,発売日に手に入れました。ミステリ,特に海外ミステリの衰退はかなりのもののようですし,以前ほど,ミステリを読んでいるわけではありませんが,読んだ本がどの程度の評価かは,多少気になります。

 ベストスリーは以下の通りです。

■国内ミステリ
 1 東野圭吾『容疑者Xの献身』(文藝春秋)
 2 石持浅海『扉は閉ざされたまま』(ノン・ノベル)
 3 横山秀夫『震度0』(朝日新聞社)

 この中で,『容疑者Xの献身』と『震度0』は読み,『扉は閉ざされたまま』は買ったけれどまだ読んでいません。

 『容疑者Xの献身』は,殺人があり,その犯行の様子と犯人は,冒頭で読者に知らされますが,異様なトリックで驚かせ,書名にある「献身」によって支えようという趣向です。しかし,これは東野圭吾氏のベストワンではないと思います。

 『震度0』は,行方不明者はいますが,ミステリというより,警察内部というか,どこの組織にもあるすさまじい内部抗争をテーマとしている小説です。些細なところですが,ソファーの下に隠してあった5番アイアンからの推論というのが,いかにも尋問のプロらしく印象に残っています。

■海外ミステリ
 1 ジャック・リッチー『クライム・マシン』(晶文社)
 2 マイクル・コナリー『暗く聖なる夜』(講談社文庫 上下)
 3 ジェイムズ・カルロス・ブレイク『無頼の掟』(文春文庫)

 こちらも読んだのは2冊ですが,『クライム・マシン』が1位になるとは思いませんでした。1922年生まれのジャック・リッチーは,350篇の短編を書いたそうですが,『クライム・マシン』は,日本で編集された短編集です。どれもこれもアイデアが優れ,異なる味わいで,しかも短く引き締まっています。どうしても次も続けて読もうと思ってしまういます。

 『暗く聖なる夜』は,あまり感心できない作品です。連作の主人公が警察を退職し,過去の未解決の事件に取り組むのですが,妨害にめげずこつこつと捜査してきたのに,乱暴な形で大団円となります。それに,前半の良い場面を台無しにしているのもどうかと思われます。

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2005年12月 6日 (火)

レンタルビデオからみたビデオテープの消え方

videotape  レンタルビデオ店に初めて足を踏み入れ,会員となったのは,2000年8月末のことでした。最初は,借り方もわからず苦労しました。

 この時,店(今はないTSUTAYA表参道店)には,DVDは,棚の2,3段分しかありませんでした。DVDを観るための方法もなく,確か,当時のプレイステーションを使っていました。また,初めて買ったDVDは,『メンフィス・ベル』と『ユージュアル・サスペクツ』でした。その後,レンタルビデオ店ではDVDを借りることはほとんどなく,借りるのはビデオテープでした。しかし,ビデオテープを2本借りればかなり嵩張り,3本だと持て余していました。

 レンタルビデオ店では徐々にDVDが増え始めましたが,遅々たる歩みで,かなり長い間,DVDは,ビデオとは別に置かれていました。どのようなDVDがあるかは,簡単に記憶できるほどの量でした。2002年からDVDを借り始め,DVDが主体となったのは,2003年中頃からでした。その頃から,DVDとビデオは混合排架されるようになっていきます。

 今では,レンタルビデオ店では新作のほとんどは,DVDとなりました。例えば,『宇宙戦争』の場合,今,通っているTSUTAYAでは,DVDは50本ほどありますが,ビデオは,4本で,うち2本は日本語吹き替え版です。一応,ビデオテープも置いてあるという感じです。

 レンタルのDVDは,携帯が楽で,返すときに巻き戻しをする必要がないし,言語の選択も自由にできます。その他にも,早送り,巻き戻しも早いし,細かい調整ができるという利点があります。さらには,出演者のインタビューやメイキングなどの特典映像もあります。レンタルビデオに入っている余計な予告編のスキップも簡単です。ビデオテープの愛好者もいるのでしょうが,DVDとなってありがたいと思います。想像するだに,ビデオショップもレンタルビデオ店も,同じスペースで倍以上の本数の商品を置くことができるので,DVD化を歓迎しているのではないでしょうか。今やレンタルビデオ店の店先や店内では,名のある作品のビデオを100~200円で販売しています。

 コンパクトディスクの出現で,LPレコードは姿を消しました。これにはレコード針の供給停止といった特有の事情があったため,かなり急激に移行しました。では,ビデオテープはどうなるのでしょうか。音楽の媒体としてカセットテープがありましたが,これはLPレコードより長く残っています。

 現在のところ,ビデオでしか観ることができない膨大な数の映画作品がありますから,ビデオテープはまだまだ残るはずです。しかし,一方では,HDDレコーダの普及で,家庭からビデオデッキが姿を消しつつあります。かつてのDVDのようにレンタルタルビデオ店では,ビデオテープは一個所に集められるようになり,やがて知らないうちに消えていくのでしょう。
 
 映画のキャリアとしてのビデオテープの盛衰の間には,レーザーディスクという短命に終わったものもありました。

 パッケージメディアが,新しく開発され普及するのは『プロジェクトX』の世界であって一様ですが,消え方のほうは,それぞれ違っていて,面白いと思われます。

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