2017年12月10日 (日)

週間日誌2017-12-10

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12月9日(土)
 日の出前の時刻に東京駅から新幹線に乗った。晴れているので,僅かに雪をかぶった丹沢山が見え,朝日のあたる平塚の日向岡に立ち並ぶ三角屋根の住宅のガラスに朝日があたってきらきらする。その向こうに富士山の頂上があった。富士駅の少し手前では,富士山の全景がくっきり。関ヶ原の先ではやはり雪をかぶった伊吹山も。豪華な展開でうれしかった。

 

12月8日(金)
 国立劇場小劇場で「文楽鑑賞教室」を観る。満員で,若い人たちとサラリーマンがいるのに驚いた。解説が付き,太夫,三味線,人形遣いのそれぞれが,自分の仕事を説明する。これが勉強になる。特に今回は,少しではあるが人形の主遣いが左手遣いと足遣いにどのように合図するのか,女性の人形が細かい手仕事がなぜできるのかといった,疑問だったことを知ることができた。

 

12月7日(木)
 青山通りのピーコックの隣,ずっと昔のことだが三井銀行などが入っていたビルが,いつの間にかエイベックスの本社となっていた。3年ほど前から建て替え工事が始まり,18階建てのビルが完成した。ビルは,青山通りからセットバックして建てられて,前面は広場になっている。ここに,今週,生木のクリスマスツリーが建てられた。

 

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12月6日(水)
 散歩で外苑の銀杏並木を抜け,千駄ヶ谷へと向かった。かなりできあがってきた国立競技場の脇を通った。下半分の三階建ての部分が姿を現していた。ここまではまだ威圧感はないが,この倍以上の高さになるはずである。

 

12月4日(月)
 先週の金曜日,ずっと観ていた『ユニバーサル広告社』が最終回だった。第九回だったが,きっとこれは打ち切りなのだろう。

 

 スーパー紀ノ国屋で久しぶりに貰ったカレンダーは,武者小路実篤だった。紀ノ国屋の顧客は武者小路実篤のカレンダーで納得し,使うのだろうか。

 

 昨日,大学の対抗戦ラグビーで慶應義塾大学は,110対5で勝ったので驚いた。100点差で勝たないと対抗戦三位になる可能性がなかったのであるが,このように,100点以上をとることはあまりなかった。少なくともこの5年はなかった。また,使命を達成するということもあまりなかったのではないか。


2017年12月 3日 (日)

週間日誌2017-12-03

12月3日(日)
Kaikatetsudoutantei  山本巧次『開化鐵道探偵』(東京創元社,2017)は,明治時代に大津と山科の間の逢坂山トンネル工事で起きる事件を井上勝に依頼された元八丁堀同心が捜査するミステリで,当時の雰囲気が良く出ている傑作だった。『阪堺電車177号の追憶』(ハヤカワ文庫,2017)も緻密な構成で意外性もあった。阪堺電車には数年前に浜寺駅前から天王寺駅前まで乗ったが,阪急沿線とは大きく違う大阪を知った。その山本巧次の「大江戸科学捜査八丁堀のおゆう」シリーズ(宝島文庫)が評判ときき,第二巻と第三巻を読んだが,第一巻が入手しにくい。電子書籍にするか,増刷して欲しい。

11月30日(木)
 リニア中央新幹線の品川駅工事の模様が公開された。このリニア中央新幹線は,残土や水源,環境問題をはじめ様々な懸念があり(樫田秀樹『リニア新幹線が不可能な7つの理由』岩波書店,2017),さらに本当に必要かとまで言われているが,工事は進行中らしい。たとえ今,名古屋までのリニア中央新幹線があったとしても,乗ることはない。大阪まででも乗らない。もちろん,東京,名古屋,大阪を頻繁に行き来する人々にとっては,航空機でもリニア新幹線でもよいのだろう。しかし,東京大阪間が完成することになっている2045年にどれだけ客がいるのか疑問である。

11月29日(水)
 横綱日馬富士が引退届を出す。気の毒でならない。かわいそうだ。本人や親方の無念さもわかる。事件の背後にある差別感情も問題であるが,テレビ,新聞,週刊誌の報道姿勢もかなりひどくなっている。力士に対するリスペクトが全くない。NHKまでもが伝聞でしかないことを平気で報じ,民放は相撲を普段は見ていないいい加減なコメンテータの発言をそのまま流している。もう少しまともな人はいないのかと思うが,テレビ局は番組の質の管理ができなくなっているのだろう。こちらは哀れである。

11月28日(火)
 朝の9時過ぎ散歩で神宮外苑銀杏並木を通る。青山通りに面した銀杏は,黄ばむのが遅くてようやく色づいた。しかし,奥の方はもう葉がすっかり落ちている。この時間帯にいる二人以上の人々のほとんどは,隣の大国からの旅行客である。一日を有効に使おうというのだろう,早くから元気いっぱいだ。何かパフォーマンスをしたいようで,落ち葉をかき集めて頭の上から降らせて素早くシャッターを切るというようなことをしている。この寒いのに両肩を出したウェディングドレスと白服の花嫁が写真に収まっている二人とエージェント,カメラマンがいる。大声で指示しあっているので,日本のカップルではないことがわかる。

11月27日(月)
Ctrre  勤め先の大学のクリスマスツリー点灯式。正門から入った芝生に植えられた大きな二本のヒマラヤ杉に色とりどりの豆電球を付け,毎年この時期に点灯式が行われる。冷たいLED電球ではないので,多少暗いものの暖かみがあってクリスマスを感じさせる。


2017年11月26日 (日)

週間日誌2017-11-26

11月26日(日)
 朝5時からラグビーの日本代表対フランス戦をみる。フランスは今期不調で世界ランク8位であるが,はるか格上で,これまで歯が立たなかった。しかし,今の日本は強い。ちょうど一年前の遠征ではウェールズに善戦,3点差で負けたが,その時と先発メンバーで重なるのは7人だけで,昨年はいなかったリーチ,姫野,レメキ各選手が活躍,ただ,山田選手の不在,福岡選手の負傷が残念。日本は,攻防が組織的だったが,フランスは個人技が目立った。

11月25日(土)
A20171126  京都での集中講義の後,梨木神社に行く。確かに楓が紅葉しているが,午後3時すぎのため,もう陽は低く,高い立木が邪魔をして少しも明るくなくがっかり。その後に行った京都外苑では,遮るものはなく夕日に照らされた紅葉をみる。

11月24日(金)
 今期のテレビドラマは,『監獄のお姫さま』(TBS)と『ユニバーサル広告社』(テレビ東京)を観ている。宮藤官九郎脚本の『監獄のお姫さま』(TBS)は,何だろうと思った第一回だったが,女子刑務所の紹介ドラマだった。ウェットなところのない満島ひかりが看守,小泉今日子と菅野美穂は,刑務所に居ることをあまり気にしない受刑者である。最後はどうなるのであろう。

 『ユニバーサル広告社』は,東京から離れた港町の活気の乏しい商店街に移転してきた小規模広告会社が町おこしに関わるというありがちな設定であるが,そうは順調に進まない。主役は沢村一樹であるが,和久井映見がレギュラーなので見逃せない。『奥様は,取り扱い注意』(日本テレビ)も3回くらいまでは観たが,現実離れした設定を作り出し,腕力で問題を解決するタイプのドラマだった。

11月23日(木)
 ラグビーの早慶戦を昨年と同じく秩父宮ラグビー場のメインスタンドで観戦。結局,昨年と同様の結果。かなり気落ちする。

11月21日(火)

 ちょうど一年前,windows10のアップデートがうまくいかなくて動かなくなり,そのままにしていたパソコンを動かしたら,windows10の最新版のダウンロードをはじめ,更新作業に一晩もかかったが,動くようになった。


2017年9月15日 (金)

鉄道からの風景と温泉津温泉

 日本の風景は,平均すればそれほど美しいとは思わないが,鉄道の車窓から景色を眺めるのは好きだ。

 ずっと昔,小学生の頃,当時の国電の座席で窓側に向かって膝をつき,外を眺めるのは今はない光景となった。あの頃の子は,風景を眺めるのが本当に好きだったのだろうか。それとも習慣だったのか。

 東京近郊の鉄道の中で,東海道線など比較的長距離の電車や京浜急行の特急もでは,一部にボックス席があり,進行方向に向かって外を見ることができる。あるいは,ホームライナーなどでは,二人がけのシートである。関西では,近郊車両や地下鉄を除き,関東よりも不愉快なロングシート車両は少なく,二人がけ席が多いように思う。電車文化の差は大きい。

 さて,ボックス席や二人がけ席で進行方向窓側に座ることができたら,窓の外を眺める。新幹線の指定席では,必ずE席を選ぶ,E席からは丹沢,富士山,浜名湖,伊吹山,比良を見ることができるからだ。海も見えないA席とは大違いである。東北新幹線もよい。山陽新幹線はじめその他の新幹線では,トンネルや高い隔壁がばかりで,本を読むしかない。

 先日,山陰線で京都から松江まで行った。特急列車,2両編成ディーゼルカー,単行のディーゼルカーを乗り継いでたいそう時間がかかる。京都の街中はあっという間で,嵯峨嵐山から城崎温泉までは,山中で,時々市街や集落が現れるが,樹木の生い茂る中を進んでいくだけである。日本海側に達すると,時々,海が見えるようになる。全体として単調であり,しかも雨が降っていたが,それほど退屈ではなかった。

 翌日,用事を済ませた後,一畑電車で出雲市駅へと向かった。松江に来るたびに,一畑電車に乗る。2両編成の電車に始発駅では50人ほどの乗客がいる。いつも子供のように先頭の運転席の直ぐ後ろに座る。ロングシートであるのは不満であるが,宍道湖の湖畔を走るので,やはり風景を眺めるのに忙しい。

Yunotsu  松江から西に特急で1時間ほどのところに温泉津温泉がある。かなり前にこの温泉のことをきいていたが,これまで,行く機会がなかった。東京から行くのはかなり難しい位置にある。ただ,温泉の評価は非常に高い。あらかじめ宿を予約していたが,あまり,期待はしていなかった。一人客を泊めてくれるのはありがたいが,きっと古いタイプの旅館だろうと思っていた。しかし,建物は改築したらしく内装や設備は整い,応対も今風だった。

 旅館のすぐ前に木造三階建ての薬師湯という源泉そのままという外湯があり,あまり長く浸からないほうが良いと言われて,おそるおそる狭い湯船に入ってみた。何だか重い感じがした。この建物の三階に展望所があり,温泉津温泉全体を見渡すことができる。山に挟まれた狭い土地の両側に温泉宿があり,真ん中に,車のすれ違うのに工夫の要る細い道が通っているだけである。そこからは見えないが,温泉津の港は,石見銀山で採掘された銀の積出港なので,温泉津温泉も石見銀山の世界遺産認定の恩恵を多少はうけているのだろう。

Sanin  次の日,温泉津からさらに山陰本線を西に益田まで行った。鉄道は,海から少し高い箇所を走っているので,日本海が水平線までよく見通すことができ,岬にはさまれた集落ごしにも海を見ることができて,大層,うれしかった。

 益田からは,山口線で新山口まで向かった。単行のキハ40 2072と2042なのであるが,どういうわけか乗客が多く,観光客が大部分なので,津和野で全員降りるかと思ったらそんなことはなかった。途中,蒸気機関車に牽かれた観光列車とすれ違ったりするのだが,あまりに変化の乏しい平凡な景色に辟易した。


2017年8月21日 (月)

ドラマ『やすらぎの郷』はもう観ない(8月第3週)

 ほぼ,毎日,観てきた『やすらぎの郷』であるが,終わり近くになっての後味の悪い酷いエピソードで,これまでの評価はがた落ちになった。

 同様な感想を抱く人々は大勢いるはず。「スポンサーが降りるレベル(のドラマの内容)」というご意見に同感。

 これは,明らかに脚本家の問題である。『6羽のかもめ』のDVDを買うところだったが,やめた。


2017年8月20日 (日)

書店が消えたりできたり

 三田通りの赤羽橋に向かう左側は,道幅が拡張されてから長い間,あまり商店はなかったが,自転車や眼鏡屋など,最近,店ができはじめている。長い間あった24時間スーパーが,閉店に追い込まれたのは残念である。
Shotenmita  三田国際ビルの手前にあったチェーンのカフェ店舗が閉店していた。奥に広く喫煙席があるがそこは空いていて,手前の禁煙席は混んでいたが,見直しすることもなく消え去った。そこが,改装中で,カフェの看板が取り外され,書店の看板がかかっていた。ここに新しく書店が開店するのかと驚いた。しかし,そうではなく,このカフェの前にあった書店の看板が残っていただけであることがわかった。結局は,ピザの店になるらしい。いまどき,街中に新しい本屋ができると期待するほうが間違っている。
 銀座コアの6階にあったブックファーストは2017年3月に閉店になった。2003年からだったが,その前も本屋だった。一方,4月開店のギンザシックスの6階に蔦屋書店が開店した。随分広いスペースであるが,テーマは「アート」に限定,歌舞伎も落語もあるものの,スターバックスもあって既視感が強い。人は多いが,そんなに本を買う客が多いとは思えず,いつまで続くことができるのか。
 渋谷には,新しい書店ができた。
 スクランブル交差点を何事もなく渡り,渋谷西武の前を通り,公園通り入口も横断歩道を渡ったところに丸井がリニューアルしてできた「渋谷モディ」というビルがあり,この中にHMV&BOOKS TOKYOがある。昨年末にオープンしたらしい。
 5階から7階までのフロアの一部を占めている。5階には,日本と世界の文学や旅行本,音楽や映画,それに美術の本が並んでいる。世界文学は充実しており,作家別に排架され,例えば,ベルンハルト・シュリンクなら,クレストブックの『朗読者』,新潮文庫版が同じ箇所にあり,さらに,DVDのスティーブン・ダルドリー監督の『愛を読むひと』が隣にあるといった具合である。要するに形態やメディアにこだわらず,著者別,著作別に排列している。HMVであるから,音楽のコーナーはDVD,音楽ではCDが並んでいる。
 渋谷からは,大盛堂書店が実質的に消え,東急のビルにあった三省堂書店,紀伊國屋書店がなくなった。一方,少し遠いが,東急本店の中の丸善&ジュンク堂書店は健在である。地下鉄半蔵門線渋谷駅から上がった今でも第一勧銀共同ビルというビルの地下の二階分のフロアにあった,ブックファーストが今年7月に閉店した。ブックファーストの前には旭屋書店があったところである。
 ブックファーストは阪急から離れ,トーハンの子会社となったが,撤退が続く。


2017年7月31日 (月)

祇園祭山鉾巡行後祭と還幸祭

 朝早くの新幹線で京都へ行った。地下鉄に乗り換え,御池の駅から地上に上がるとちょうど,先頭の「橋弁慶山」が動き始めたところだった。
 祇園祭の山鉾巡行は,50年ほど前までは,前祭と後祭に分かれていたが,交通混雑のため,合同となっていたが,2014年からまた,前祭とは別に後祭が一週間後に別に行われるようになった。交通などより観光が優先されるようになったのだろう。
 前祭は,長刀鉾を先頭に四条烏丸方向から四条通,河原町通,御池通,新町通とまわっていくが,籤改めの場所は,四条寺町の御旅所の手前にある。いつもここで見物しているが,今年は来ることができなかった。
 後祭は,山鉾は御池通,河原町通,四条通と逆にまわるらしいが,籤改めの場所がよくわからない。地下鉄御池駅で貰った巡行の地図で示されているあたりまで歩いて行った。ようやく京都市役所前であることが判明した。前祭では,御池通に有料観覧席が設けられるが,後祭は,まだ知名度が低いためなのだろう,観覧席は設けられず,観光客は道の両端にせいぜい二列程度で待機しているだけである。観客数は圧倒的に少ない。外国人は多い。曇っているので,それほど暑くはないのが助かる。
 山鉾の速度は,おそろしくのろい。後祭の先頭で籤をとらない「橋弁慶山」については,たまたま読んだばかりの中村理聖『若葉の宿』集英社,2017. 237p.)の主人公が橋弁慶町にある小さな旅館の娘で,「橋弁慶山」も出てくる。この小説は,引っ込み思案の22歳の娘が,京都の有名老舗旅館の仲居として勤めるうちに,その旅館のトラブルを知ることとなり,自分の家の旅館をやっていこうという気になるという内容であり,登場人物の造形はまだまだであるが,続編は読みたい。
 二番目の「北観音山」は,山ではなく鉾である。三番目が「鯉山」で,少し前にNHK BSで,この「鯉山」に飾られたタペストリの由来を取り上げていた。16世紀にベルギーのブリュッセルで製作されたタペストリを切ってつなぎ合わせたもので,画題はなんとトロイ戦争のプリアモスだという。時空のかけ離れ方に驚く。ただ,残念なことに,正使が,緊張したのだろうか,籤札を落してしまった。初老の方であるが,奉行との距離が開きすぎていて,落としそうな予感がした。
Atomaturi2017  用事があったので,御池の方に向かい,最後に位置する大船鉾を見上げた。後祭復活に際して,新しく作られた。以前,宵山でみた時より,小ぶりで細い感じだった。NHKBSの中では,大船鉾の製作も扱われていた。他の鉾とは違った形であり,大勢が乗り込むので重心は高いし,辻回しはあるしで,設計のご苦労がしのばれる。
 寺町通りをやってくる花笠巡行を少しだけ観た。
 夜は,「還幸祭」があり,御旅所を出た三基の御神輿が市内を回るのであるが,これも時間がかかる,ようやく,大丸の裏の錦小路通をやってきた「西御座」に出会った。「錦」と染め抜いた法被を着た百人以上の男衆は,どういった人たちなのかといつも思う。


2017年7月 6日 (木)

ドラマ『やすらぎの郷』:甘えてはいけない。時に情けはない。

 ある年代層のゴシップ好きの人々は,テレビ朝日の昼の連続ドラマ『やすらぎの郷』を欠かさず観ているはずである。毎回,最初に前回のダイジェストがあり,次に中島みゆきのバラード『慕情』を背景に出演者紹介が流れ,15分の帯ドラマが始まる。

 かつて,テレビで活躍した俳優達が余生を送る「やすらぎの郷」で起きる事件を石坂浩二を仲立ちに語っていく。入園者は,いずれも70歳を超えているが,「やすらぎの郷」のスタッフは,草刈民代から松岡茉優までがいる。松岡茉優は,とても得な役だ。八千草薫,浅丘ルリ子,加賀まりこ,野際陽子,有馬稲子,五月みどり,冨士眞奈美とエピソードの中心は女優である。藤竜也が無口で誠実で男らしい,高倉健のような役だが,何だか違っていた。

 そうドラマティックなことがおこるわけではない。老優たちがときめくことがあっても,結局は,中島みゆきが歌う「甘えてはいけない。時に情けはない。」に残酷にも収斂されてしまう。

 いつも出ているのは,石坂浩二,八千草薫,浅丘ルリ子,加賀まりこ,それに,ミッキー・カーチス,山本圭であるが,加賀まりこが気になっていた。加賀まりこは浅丘ルリ子といつも二人で脳天気で,他人に辛辣な言葉を浴びせているが,浅丘ルリ子に比べれば脇役的存在だった。ところが,加賀まりこは石坂浩二に真情を話して泣きだす。これは,意外だった。誰でも歳をとって直面するおそれであるが,これを加賀まりこに演じさせるとは思わなかった。

Yasuragi2  繰り返しになるが,これまで,なんと言っても面白かったのは,4月末から5月にかけての「茄子の呪い揚げ」である。八千草薫が教える「茄子の呪い揚げ」は,深夜,たっぷりの油を熱し,その中にに串を刺して茄子を入れながら腹が立つ相手の名前を叫ぶと,その人に不幸がやってくるというもので,浅丘ルリ子が実行する。効果は覿面だった。

 先頃の選挙結果は,大勢の怒れる人々が「茄子の呪い揚げ」を行ったからであると言われている。


2017年6月21日 (水)

ギンザシックスと観世能楽堂と落語

  銀座の松坂屋の跡にできた13階の商業ビル「GINZA SIX」は,2017年4月20日に開店した。新しいものは見たいが,大勢の客がつめかけている様子なので,遠くから見るだけで終わっていた。ギンザシックスの歩道側には観光バスの乗降場があり,四六時中,外国人の観光客で混雑している。

 ここに,渋谷から観世能楽堂が移ってきた。この能楽堂で,立川志の輔師匠の落語の会を行うとのことなので,行こうと思った。志の輔のチケットは,通常では買うことができない。今回は,オークションで入手した。

 20分前にギンザシックスに到着した。能楽堂入り口は地下三階というので,地下に向かうエスカレータに乗った。地下二階は,食べ物のフロアであるが,ここから下にいくエスカレータはなかった。地下二階を一周してみたが,下に行く階段は見つからない。エレベータはあるが,地下三階には停まらない。あわてて,また一階にもどって,案内所を探したが,そうしたものはなかった。入口が別なのかと思って建の外側を一周した。間に通路をはさんだ,複雑な構造になっているようだった。それでも地下三階への道は見つからなかった。

 開演時間が迫ってくる。もう一度,地下二階を一周した。よほど切羽詰まった様子に見えたのだろう,ある店の店員が近づいてきて,「お困りですか」と声をかけてくれ,行き方を教えてくれた。本当にありがたかった。
Kanzenogakudo

 当然とは言え,屋根付きの能舞台が室内に収まっている。三階分の高さがあり,それで建物の端に置かれているわけである。中正面の席だった。能舞台の上に高座となる台が置かれて紺色の布がかかっていて,その上に大きな座布団が乗っている。間もなくお囃子がはじまり,志の輔師匠が登場し座った。ひとしきり,能舞台で落語をすることになった事情や,能の鑑賞法,落語との違いと類似点を述べた。

 高座は,舞台に斜めに中正面に向けて置かれている。能の客席は,正面,脇正面,中正面に分かれている。能舞台には能楽師が面を被ったときに自分の位置を確かめる役割の目付柱がある。しかし,この目付柱は観客にとっては観るのに邪魔になるので,普通は中正面の料金は最も安い。しかし,この能楽堂では目付柱を外すことができるのでとってもらった。従って,どの席も同じ料金であると笑いをとった。

 まず,『バールのようなもの』を演じた。途中,長唄三味線をはさんで,後半は,『八五郎出世』だった。八五郎は随分酒をよく飲むと思った。

 帰りは,エスカレータで地上まで出ることができた。


2017年5月 1日 (月)

「ナスの呪い揚げ」に期待

 NHKの連続テレビ小説『ひよっこ』の主人公のみね子(有村架純)とは,ほぼ同年齢である。まだ,東京篇が始まったばかりであるし,もはや当時の記憶もはっきりしないけれど,全体的に何か違うと思う。出演者たちにも馴染めないし,ユーモア感覚が合わないし,オート三輪やボンネットバスを強調する演出にも魅力を感じない。

Yasuragi  テレビ朝日の平日昼の帯ドラマ『やすらぎの郷』は,最初の頃の回で石坂浩二が,息子の妻に形見に欲しいと求められた亡妻の着物を庭で焼く場面を観ただけだった。どうしても見逃してしまう時間帯である。ところが連休中,二日4時間にわたって『やすらぎの郷』の再放送があり,これを観て,背景や人間関係がわかった。

 妻を失った菊村栄(石坂浩二)は、東京の家を息子に譲り、自分はテレビに功績のあった者だけが無料で入れる老人ホーム『やすらぎの郷』に入居する。それぞれに個室が用意され,運動,飲食施設があり,女性スタッフは,みな元キャビンアテンダントである。浅丘ルリ子,有馬稲子,加賀まりこ,五月みどり,野際陽子,八千草薫らが登場する。入居者の元俳優らは,必死に体裁を守ろうとする反面,むき出しの本音やエゴイズムを覗かせる。

 脚本の倉本聰の年齢は,ちょうど一回り上で,その他の出演者たちは比較的近い年代である。おそらくこのドラマは,年代や環境が限られた層にしか理解されないだろうと思いつつ,毎回観たいと思うようになった。少し前の回で,欲のない善人,聖女のように振る舞っていた八千草薫が,浅丘ルリ子に「ナスの呪い揚げ」の方法を伝授する場面には笑った。

 その他のドラマでは,『ボク、運命の人です。』が,意外性とイージーなところが入り混じり,展開に工夫があり,毎回観ている。


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